TVアニメ「その着せ替え人形は恋をする」

目次

 

「ヴァニタスの手記(第2クール)」の評価と感想:幕間弁当も美味い、2本立てアニメ

「ヴァニタスの手記(第2クール)」の評価

19世紀パリを舞台に、吸血鬼と人間、血と呪縛、愛と救いを描く物語。 第2クールはジェボーダンの獣編とヴァニタスの弟分ミハイル編の 2本立てです。

見てもらいたい度:🩸🩸🩸🩸➖

 

オススメ・ポイント

ジェボーダンの獣編と、ヴァニタスの弟分ミハイル編の2幕、その幕間に恋愛ド素人ヴァニタスとジャンヌのどきどき無自覚両想い弁当を楽しむという構成。

ジェボーダン編では悪魔憑きを発生させるネーニアの正体に迫り、ミハイル編ではヴァニタスの過去、ヴァニタスの書の由来に迫ります。どちらも短い話数で上手くまとめられていて、見応え充分でした。

ただ、個人的にはどっちか一方を突き詰めてほしかった気もします。多くの謎が残されたことは、余韻を味わえるというよい面もありますが、続きが観たくてたまらない、居ても立っても居られない、まるで血を欲するヴァンピールにされたような気分にもなります。

どのシーンをとっても「絵」になる美術、14話のジャンヌ、15話のクロエにひっぱたかれるノエなど、シリアスとコミカルの緩急つけた演出は、このアニメのオススメポイントのひとつです。

ドミニクのお姉さんのように、トラウマ級の悲劇を全く気にも留めない、非情で残酷なまでの強さ、それに対するノエやドミニクのナイーブさ、そのナイーブさから強さへとあがきながら力ずくで近づこうとするヴァニタスの対比が、私にはとても響きました。それぞれが悲しく、暗く苛酷な過去を持っているキャラには自然と感情移入してしまい、それゆえに自分の中に相反した気持ちが生まれてモヤモヤしてしまう点もありますが、それもこのアニメの醍醐味だと思います。

 

オススメの回

休憩エピソードですが、初見でも十二分に楽しめるであろう第20話「Mal d'amour 不治の病」を推します。

恋を自覚して狼狽するヴァニタスと、無邪気な肉食系ジャンヌが可愛い、悲劇をいっとき忘れて心から笑える、明るいエピソードです。ひとしきり笑った後に、ノエが語る「アストルフォとヴァニタスの道を分けたものは何だったのか」というセリフが本題に引き戻してくれる演出も光ります。

 

「ヴァニタスの手記(第1クール)」の感想もこちらに書いています。

 

「ヴァニタスの手記」の関連リンク

 

 

「賢者の弟子を名乗る賢者」の評価と感想:徹頭徹尾わしが可愛いアニメ

「賢者の弟子を名乗る賢者」の評価

九賢者の一人「ダンブルフ」という老練なキャラでゲームをプレイしていたはずが、いつの間にか美少女の姿でゲームの世界に転生してしまった主人公が、行方不明の他の九賢者を探して旅する冒険ファンタジー。

見てもらいたい度:👴👴👴➖➖

 

オススメ・ポイント(?)

おじいちゃんが可憐な美少女になった、そのギャップによる何かが特にあるわけでもなく、ストーリーも何がどうなってるのかよくわからず、肝心の九賢者を探すという話も、見つかったんだかどうなんだか、そもそも九賢者って誰?なんで探してるんだったっけ?という印象でした。

象徴的なのが、第6話『わし、着せ替えっ!』での着せ替えシーン。ストーリーになんの関係もないミラちゃんの着せ替えが何度も繰り返されます。

このアニメ、なぜ、こんなことになっているのか? それは、「かわいい」からです。 このアニメは「かわいい」が全てなのです。

第10話『わしっ、全裸っ!』で登場し、その後旅を供にするピュアラビットが、特に活躍もしなければ、ストーリー上重要な何かを持っているわけでもないのも、それが「かわいい」から出した、で説明がつきます。

ストーリーが脇道にそれて、いつの間にか学園で無双してるのも、ミラちゃんのドヤってる姿が「かわいい」から。 ケットシーが喋れるのに相変わらず立て札で意思表示するのも、それが「かわいい」からです。(かわいいか!?)

ミラちゃんが頻繁に「もよおす」のも、「かわいい」から。 そんなに飲んだらまたもよおしちゃうのに、かわいいねぇー。これはお笑いコンビ「いつもここから」のネタ的「かわいい」ですが、それだと思えば納得がいきます。

おじいちゃんが可憐な美少女ミラちゃんになった、その可愛い「わし」を愛でるのがこのアニメの楽しみ方です。 実際、「ボクっ子」ならぬ「わしっ子」のミラちゃんは、見た目も喋りもとても可愛いです。 そして、シッチャカメッチャカなアニメではありますが、不思議な魅力があります。 私は決してキライではありません。

 

オススメの回

第9話『わし、こういう展開嫌いではないのぅ』です。

本アニメ中では、まずまずまともな回です。ミラちゃんの中身が人生経験豊富なおじいちゃんであることも、設定として活かされています。

終盤のご神木の精による、怒涛のしーしー詰め寄りも見どころの一つ。あと、履いてないのは、もちろん「かわいい」からです。

 

「賢者の弟子を名乗る賢者」の関連リンク

 

 

 

「現実主義勇者の王国再建記」の評価と感想:地味ながら国家運営エッセンス満載アニメ

「現実主義勇者の王国再建記」の評価

勇者として召喚された世界で、王位を譲られ王国運営することになった主人公の奮闘を描く第2期。

見てもらいたい度:👑👑➖➖➖

 

オススメ・ポイント

現実の国際関係や国家運営、歴史のエッセンスを散りばめたようなストーリーが特徴のアニメの第2期です。ストーリー上あまり大きな動きはなく、“禁軍のマッドサイエンティスト”や花嫁講座のエピソードとか、1期に比べ散漫な印象でした。

決してつまらないわけではないのですが、敵国の姫だったロロアの経済面での活躍をもっと見たかったのと、なによりも、最重要人物・トモエちゃんが出てこないことが大きな減点でした。

※1期の感想はこちら。

 

オススメの回

第20話「⻄施のひそみにならう」です。

国内の内乱と、それに乗じた他国による侵略、国の併合と、2期の中で最も大きく事態が動く回であり、なんだかアニメの中だけの話に思えない回です。 ロロアのネタ被りも見どころです。

 

「現実主義勇者の王国再建記」の関連リンク

 

 

 

「失格紋の最強賢者」の評価と感想:紋章ファンタジーというほどには紋章紋章してない紋章アニメ

「失格紋の最強賢者」の評価

魔法が衰退した世界に転生したかつての最強賢者が、人類を滅ぼそうと画策する魔族の存在を知り、世界を守るため仲間たちと共に闘う物語。

見てもらいたい度:⚜️⚜️➖➖➖

 

オススメ・ポイント

さらなる高みを目指して自身の意志で転生する、という設定が面白いと思います。各エピソードもそれぞれに面白く、このアニメ嫌いじゃありません。

ただ、「学園で無双」はいい加減もう食傷気味に感じます。あと、転生前は最強賢者だったというのに、異性に対するリアクションとか、見た目可愛くて一目惚れとか、恋愛観が小学生か!というほど幼なすぎて、さらにその点を無双キャラのギャップ萌えポイントとして活かしきれてないところが残念でした。最終2話の「いいから、はよ魔剣持っていかんかい!」とイライラさせられる点も、せっかくのクライマックスなのにもったいないと感じます。

暗黒竜イリスちゃんは脇役なのに、最も魅力を感じるキャラでした。魔族との戦いより、イリスちゃんのドタバタを見ていたいという気持ちにさせられます。

 

オススメの回

第3話「最強賢者、竜と出会う」です。

ベジータとナッパが学園を襲撃に来て、賢者悟空とその仲間たちに返り討ちにされるところがまず見どころ。その後、魔族の潜伏する村への転送を願いにシェンロン・イリスに会いに行くところが第2の見どころです。

 

「失格紋の最強賢者」の関連リンク

 

 

「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」パート1の評価と感想:安心と信頼の奇妙なアニメ

「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」パート1の評価

主人公は空条承太郎の娘、空条徐倫。父の命を救うため、無実の罪で収監された刑務所を舞台に、正体不明の敵と闘う物語です。

見てもらいたい度:🦋🦋🦋🦋🕸️

 

オススメ・ポイント

全編狂気と悪夢に満ち満ちた世界。杜王町スタイルの風景や配色、登場する弁護士や刑務所長の人間離れした造形が、不気味さをより煽ります。

先の読めないスリルに、どんでん返されまくりのストーリーは相変わらずで、毎度ながら「よくそんな設定思いつくな!」と感心させられながらのあっという間の12話でした。

過去シリーズのオマージュのようなセリフも随所に出てきてニヤリとさせられます。ジョジョシリーズの中でもキモさとエグさが上級レベルに見えて、その点、好き嫌いが分かれるかもしれません。

 

オススメの回

#02 「ストーン・フリー」です。

徐倫と同室となったグェスのぶっ飛びぐあいに戦慄し、被り物でパシリをやらされる徐倫に同情、そしてスタンド能力に目覚めてからの徐倫の暴れっぷりにカタルシスを感じてスッキリの回です。

 

「ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン」の関連リンク

 

 

「スローループ」の評価と感想:重さを感動に昇華させた異色のきらら枠アニメ

「スローループ」の評価

フライフィッシングが趣味の人見知りな主人公が、様々な人たちとの交流から影響を受け、また周囲の人たちにも影響を与え、お互いに少しずつ変わっていく、暖かな日常を描いた物語。

見てもらいたい度:🎣🎣🎣🎣➖

 

オススメ・ポイント

家族との死別の過去や親の再婚など、きらら枠としては中々に重い異色の設定ですが、それを通して家族愛や友情を描くことで、その重さを爽やかな感動へと昇華させています。 きらら枠としての可愛らしさ、微笑ましさ、暖かさも存分に味わえます。

ひよりちゃんの不器用だけど優しいところ、小春ちゃんの明るさやコミカルで独特な言い回しなども見どころです。

もう一人の主要人物、恋ちゃんは、登場当初はキャラが薄いように感じて、ちょい役かな?と思っていました。しかし、実は超重要な背番号10級の、物語に欠かせない中心人物でした。 周りが見えてて、よく気がついて、大人で冷静で、家の仕事も家事もよくやるしっかり者の面と、久しぶりに会えたお母さんにべったり甘える姿とのギャップにまずやられます。 そして、恋ちゃんの内に秘めた後悔や、心のひっかかりを知ったら、もう好きにならずにいられません。 後半からは恋ちゃんの視点と心の内を中心に物語を観るようになり、私の中では完全に恋ちゃんが主役でした。

主題歌のぽかぽかイオン「やじるし→」とエンディング曲のThree ∞ Loop 「シュワシュワ」もとてもよい曲で、おすすめです。

 

オススメの回

第7話「結婚式」です。

福元姉妹の姉妹愛、恋ちゃんの粋なアシスト、ひよりちゃん&小春ちゃんたちの愛情が詰まった逸品でした。

 

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「その着せ替え人形は恋をする」の評価と感想:爆笑キュンキュン恋の始まりアニメ

「その着せ替え人形は恋をする」の評価

内気な男子が、ひょんなことからクラスの人気女子から頼られることになり、二人の関係と世界が変わっていく様子を描く、ボーイ・ミーツ・ギャル・ストーリー。

見てもらいたい度:💓💓💓💓➖

 

オススメ・ポイント

切ないキュンキュンじゃなくて、楽しいキュンキュン、愉快なキュンキュンを感じさせるラブコメディです。

最初のコスの対象がアレだったのでエロエロな話かと思ってたら、めっちゃ純で爽やかな青春物語でした。すれ違いなどイライラさせられる展開がなく、妬み裏切りなどの嫌な展開もなくて、終始気持ちよく観られます。

登場人物がそれぞれタイプは違えど、皆純真で、とても好感が持てます。特に、喜多川さんは、話が進むにつれて、どんどん可愛く、愛おしく思えてきて、鬼ヤバかったです。

作画も素晴らしく、海、校舎の廊下の照り、最終回の花火、乳袋の物理シュミレーション、そして場面場面でのキャラの表情が、ただ美しいだけじゃなくて、物語を語るのに実に効果的に活きていると感じました。

2期を期待したいところですが、何もかも綺麗によくまとまったこのアニメ、今回が綺麗すぎて、2期があったら観たいような、観るのが怖いような、そんな気持ちにさえなってしまう出来です。

 

オススメの回

マジでどの回もおすすめですが、ここでは敢えて「#4 これ、彼女のとか?」を推します。

地味めの回ですが、五条君の「なんだ、よかった〜」と、その後の喜多川さんの涙と「ブビーッ!!」に、二人の末永い幸せな未来が見えるような、そんな気がしてくる回です。

 

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「天才王子の赤字国家再生術」の評価と感想:想定超え連発の痛快アニメ

「天才王子の赤字国家再生術」の評価

弱小国の運営を任されることになった王子に降りかかる想定外な事態の数々。それらに振り回されながら、国家運営に奮闘する王子とその仲間の姿を描く物語。

見てもらいたい度:🏰🏰🏰➖➖

 

オススメ・ポイント

他国要人との腹の探り合いや、国家間の争いでの作戦行動が面白く、その上で、こちらが「なるほどー」と思ったさらにその上を行くストーリーや設定がバンバン出てきて、全12話まったく飽きずに見られます。

主人公の王子ウェインと補佐官ニニムがやたらと高スペック人材で、そのままだと無双しておしまいになるところ、想定外の事件や事故を絡めることで、その高スペックぶりをどう活かすかの見どころを上手く作っています。

 

オススメの回

第5話「そうだ、罪を被せてみよう」です。

想定外の事態への対応、腹の探り合い、仕込み、こちらの「なるほどー」を超えてくる面白さなど、このアニメの魅力を存分に味わえます。

 

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「東京24区」の評価と感想:トラウマ乗り越え大人の階段登る青春アニメ

「東京24区」の評価

死んだはずの幼馴染からの電話の謎、東京24区をめぐる陰謀に翻弄されながら、幼馴染の死のトラウマを乗り越え、大人へと成長していく姿を描く物語

見てもらいたい度:🍈🍈🍈➖➖

 

オススメ・ポイント

過去のトラウマ、それぞれのキャラの関係、物語の核となる謎の提示と、「#01 RGB」から実にテンポよく、クライマックスまでグイグイと引っ張っていってくれます

主役の感性レッド理性グリーン脳筋ブルーの RGB トリオは、それぞれの性格、考え方、行動の仕方がバラバラでありながら、生まれ育った 24区や死んだ幼馴染アスミちゃんを思う気持ちは共通で、真摯で、熱く、3人ともとても好感の持てるキャラでした。

対するヒロインは皆不憫…。 アスミちゃんはじめ、マリちゃんコズエちゃんサキコさん、それぞれが抱える想いも、このアニメの見どころです。特に、いつも明るく見えるマリちゃんの心の内、アスミちゃん、脳筋ブルーに対する気持ちが私には響きました。

最終回「#12 青春24区」で脳筋ブルーが思いの丈をぶちまける様は感動的でした。 これ観た後に、このエンドカードを見たらもう泣いちゃいます。

必ずしも思い通りにならない理不尽な現実に抗いながら、「何かを諦めることが大人になるということ」という言葉に対して、主人公たちが自分たちなりの答えを出して大人になっていく様が、実に青春だった物語でした。

 

オススメの回

「#05 レッドライン」です。

汚い大人の陰謀に巻き込まれた、感性レッドと親友のクナイの友情、クナイが感性レッドとコズエちゃんに残した言葉が感動を呼ぶ回です。

 

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「ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜」の評価と感想:大人向け(そういう意味じゃない)社会派コメディーアニメ

TVアニメ ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜

「ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜」の評価

もう仕事を辞めようと思っていた新人女性警察官の主人公が、やり手だけどちょっと問題ある先輩警察官と出会って、成長していく過程を描く物語

見てもらいたい度:🚔🚔🚔➖➖

 

オススメ・ポイント

いろんなエピソードを取り上げながら、警察の仕事のブラックぶりを半ば自虐的に語り、終始笑わせてくれます。

主人公の新人ちゃんと同じ目線で警察職務の内側を「へぇー」と感じながら見ていくことができ、トリビア的面白さもあります。

最終話で、丸腰の新人ちゃんが、刃物を持った犯人にもひるまずに必死で追いかける理由が、被害に合った少女のためでも、町のみんなのためでも、警察官の誇りのためでもないのが、実にリアルに感じました。このような綺麗事ではないエピソードで笑わせながらも、警察官の仕事の大切さを感じられる、良作アニメです。

 

オススメの回

第6話 「合コン狂騒曲」「暴走ポリス」です。

警察官と一般人との乖離と、警察官の仕事に対する(角度のズレた)情熱と誇りに大爆笑できる回です。

 

「ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜」の関連リンク