ヒガンバナ

「86 -エイティシックス-」1期の評価

アニメの概要

戦場で使い捨てにされる、「86」と呼ばれる少年少女。その「86」たちを救いたいと、独り軍にあらがう少女指揮官レーナ。それぞれの戦いをとおして人間の尊厳を描くドラマ。

見てもらいたい度

❤️❤️❤️❤️❤️

オススメ・ポイント

極限の戦いの中で淡々と生きているように見える「86」たちの心の内が、話数を重ねるごとにあらわになっていく。 全てを知った時、泣ける。

国家と戦争と「86」、その秘密が次々と明かされていく展開は驚きの連続。 随所に隠喩が込められた演出にも唸る。 ただの戦闘アクションアニメではない、感動の人間ドラマ。

 

「86 -エイティシックス-」アニメ1期のあらすじ


ギアーデ帝国とサンマグノリア共和国との戦場に「人間」は居ないはずだった。

ギアーデ帝国の開発した無人戦闘機レギオンに対抗し、サンマグノリア共和国も同じく無人戦闘機ジャガーノートを開発。 しかし、無人機といいながら、ジャガーノートには「86」と呼ばれる少年少女が搭乗していた。

共和国は「86」を人の形をした豚と呼び、「豚が乗っているから無人機だ」という詭弁で国民を欺いているのだ。

その共和国の欺瞞を嫌悪し、「86」たちを人間と認め、共に戦おうとする純真な少女軍人レーナは「86」部隊の指揮官に任命される。 一方、「86」の部隊長シンは、自身のある目的を果たすため、最前線で過酷な戦いを続けていた。

シンと部下たち、レーナと軍の上司、友人、それぞれの過去と想いが交差する中、「86」たちに次々と過酷な司令が下る。

 

※以下ネタバレあります※

 

数々の隠喩で見せる演出が素晴らしい

ストーリーや作画も素晴らしいが、このアニメの演出、例えば部屋の花瓶でレーナの精神状態を表すなど、物に語らせる演出が抜群だと感じた。

食べ物を使った演出では、共和国でレーナたちが食べるものは合成食料の卵やミルク、対して戦場の「86」たちは本物の卵、狩ってきたイノシシ、新鮮な果物という対比を見せる。
この対比が、共和国の人間と「86」で本当に人間らしいのはどちらか? あるいは、レーナを取り巻く偽りの人間関係と、「86」たちの腹を割った心の交流を表現しているように見えた。

9話「さよなら」で、共和国の管制外に旅立つ「86」たちが見た、一面の花畑に咲いていたのはヒガンバナ。 最前線を離れ「彼岸」へと向かう彼らが行き着くのは死地か、それとも楽園か。
旅立つ「86」の清々しさ、レーナの別れの号泣、劇伴音楽、ヒガンバナの映像の美しさが重なって、とても感動的で意味深いクライマックスシーンとなった。

 

人間としての尊厳を守る、それが「86」の戦いだった

「86」たちの明るさは救いだが、本当に明日死ぬかもしれない状況で、女子の水浴びを覗きに行こうとか、この安穏とした生活は一体何なのか? 不気味でさえある。

その明るさの理由、どんな気持ちで「86」たちが戦ってきたのかが、7話「忘れないでいてくれますか?」で明かされる。

部隊の真実と「86」の心の内を知り、劇中のレーナ同様ショックを受けた。 人間扱いもされず、死ぬことが定められた中で、ここまで理性的に、人間としての誇りと尊厳を保ったまま、私だったら生きられるだろうか?

  • ウソと欺瞞を重ね、自ら人間性を捨てた人間。
  • レギオンに刈られ、機械になってしまう人間。
  • 人間らしくない世界を変えようと戦う人間。

その中で、機械のように戦わせられながらも、「自分は人間だ」と最後まで胸を張って言える者であろうとした「86」。

淡々と日常を重ね、先へ進み続けること。 それが、最後まで人として生き、人のまま死んでいくために「86」が選んだ道だったのだと思う。

最後の任務を終え、未知なる領域へ向かう淡々とした行軍に、ネビル・シュートの「渚にて」を思い出す。

 

2期の感想をこちらに書きました。
「86 -エイティシックス-」2期の評価と感想

 

「86 -エイティシックス-」参考リンク

 

Blu-rayなど