月と魔女

「魔女の旅々」の評価

小さい頃に読んだ魔女の旅物語に憧れ、自分も魔女となり旅に出た主人公がいろんな国を巡り、人々と出会いながら綴る旅日記。

見てもらいたい度:❤️❤️❤️🤍🤍

オススメ・ポイント

特徴的なシチュエーションで描かれる寓話は、怖い話、愉快な話、のほほんとした話にグロテスクな話と、バラエティに富んでいてとても面白いです。
「キノの旅」とか大人向けの寓話が好きな人は好きかもしれません。

その他、心温まる師弟の絆が描かれる回や百合要素もあり、憧れの旅物語の魔女、そして師匠が実は…、という展開など、楽しめる要素が沢山あります。

オススメの回

第3話「花のように可憐な彼女」/「瓶詰めの幸せ」です。
愛の物語かと思いきや…


 

魅力的な主人公

綺麗で理知的でドライでいつも冷静でちょっと生意気、年齢50は超えてるんじゃないかと思わせるような落ち着きと達観した態度の女の子。
『誰もが振り向く美しい魔女とは誰でしょう?そう、私です!』と言ってのける図々しさを持ち、実際にとても美しい。


オープニングアニメの階段をちょこちょこと駆け下りるところとか、目をつむりながら歌に合わせて指揮者のような仕草をするところなど、とっても可愛いいです。

この主人公、好きです。

 

なかなかに強烈なエピソードが多い

旅しながらいろんな特徴的な国を巡るという点で「キノの旅」という作品を思い出します。

2話「魔法使いの国」までは行く先々での人との出会いがメインかなと思ってたけど、3話「花のように可憐な彼女 / 瓶詰めの幸せ」から雰囲気がガラっと変わってビックリ。
行く先々でのエピソードやその舞台がかなり強烈で残酷。 4話「民なき国の王女」での王女のセリフ『さようなら、お父様』にはゾッとしました。
9話「遡る嘆き」に至っては公式サイトに ”一部刺激的な表現が含まれます。 児童および青少年の視聴には十分ご注意ください” と注意書きまで載る始末。実際この話凶悪でした。

出会いというより人間の幸せとは?というのが主題なのかな? 3話の「瓶詰めの幸せ」とか6話「正直者の国」とか考えさせられるエピソードも多いです。 イレイナは語り部ってとこですかね。

怖い話ばかりじゃなくて、イレイナに憧れてるサヤさんが出てくる回はコメディタッチ。 イレイナとサヤさん、さらにサヤさんの妹まで絡んでの百合展開とかもあります。と、いってもイレイナにその気は無いのですが。
全編を通してユーモアがあって、怖い話の中でもクスッと笑えたりするシーンも沢山あります。

イレイナの師匠フランさんはとても優しい人で、二人のエピソードはどれも心温まる話です。
特に5話「王立セレステリア」での別れのエピソードはシーンの美しさもあり、とても良かったです。

 

1話を見直すとまた発見がある

イレイナとサヤさん、それぞれの師匠フランさんとシーラさん、そしてイレイナのお母さんまで絡んだ話は面白いですね。11話「二人の弟子」まで見終えてあらためて1話を見直すと "なるほど" と思うところもあってまた面白いです。

それぞれの関係はこの11話で決定的に明かされるんですが、綺麗にまとまったこの話が最終話でよかったのでは?


でも12話「ありとあらゆるありふれた灰の魔女の物語」で続編もあるよ、お楽しみにと言いたかったのかな? それとも『小説、買ってください!』(by イレイナ)ってこと(笑?

 

参考リンク

 

Blu-rayなど