2022年夏に放送されたアニメの感想やオススメと感じたポイントを、それぞれ簡潔に記しました。

「評価」と記していますが、単なる私の好き嫌いです。当然のことながら、私の評価がその作品の良し悪しにいくらの影響を与えることもありません。私の好みに共感していただけるところがあったら嬉しいです。

目次

 

「異世界迷宮でハーレムを」の評価と感想:このアニメ観てることは内密にアニメ

ゲーム世界への転生物です。異世界での生活と、手に入れた奴隷との(かなり H な)日常を描く物語。

「異世界迷宮でハーレムを」の評価

見てもらいたい度:🙈🙈🙈➖➖

 

オススメ・ポイント

女奴隷を買うために、冷静に人殺しをするような外道が主人公です。何でもしていい奴隷を相手に欲望の赴くままにあんなことこんなことできたらいいな、をしまくる下衆野郎の物語です。

女奴隷には優しく接し、待遇も良くしてあげて相手の奴隷も喜んでいる、というところがたちが悪い。「品性下劣じゃありませんよ、人道的ですよ」と見せて、視聴者側にも言い訳めいたものを用意しているところが悪辣です。

人に隠れてするような、人には言えない欲望を満たす行為がかなりの尺で描かれます。人には見せられないことをするので、当然放送できません。直球で際どくて長尺(そういう意味じゃない)なシーンのため湯気とか葉っぱで隠すのでは間に合わず、パソコンで出るポップアップ画面みたいなもので完全に隠してしまいます。場面によっては画面全体が全てポップアップで埋まることもあります。なにこれ?逆に面白い。

そんな無法アニメですが、話はとてもおもしろいのです。

一人暮らしを始めて、自分で自分の生活を決めていくときの楽しさに似たものを感じます。

主人公は特殊な能力を持ってはいるものの、無双できるほどではありません。MPが減ると鬱になっちゃうとか、魔物のドロップアイテムが大してお金にならないとか、制限となる設定が多い中、油断したら普通に死んじゃうレベルの主人公が、この世界のことをいろいろ学びながら、戦って少しずつ強くなっていく様は、スリルを感じながらシラケることなく楽しく観ることができました。

街が滅んじゃうとか、国家間の争いとか、仕組まれた陰謀とか派手なストーリーはありませんが、キャラに皆それぞれ魅力があり、主人公とロクサーヌやセリーとの日常(Hなの除く)を見ているだけでも十分に楽しめます。

 

オススメの回

「#11 順番」です。

このアニメはHシーンがなくても十分に楽しめるという証明になる回でした。

主人公とロクサーヌの心の結びつきのくだりなど素晴らしいと思うのです。このアニメ、濃厚なHシーンが無い方が、より多くのファンが付くということはないでしょうか?

 

「異世界迷宮でハーレムを」の関連リンク


 

 

「異世界薬局」の評価と感想:無双で人を活かすアニメ

薬学研究者が少年へと転生した世界は、医学が発達しておらず、呪術まがいの医療行為が行われている世界。その世界で、前世で得た薬学の知識を駆使し、世のため人のために主人公が奮闘する物語。

「異世界薬局」の評価

見てもらいたい度:💊💊💊➖➖

 

オススメ・ポイント

異世界転生してチート能力を手に入れる、そんな転生物のテンプレを踏襲しながら、チートでは乗り越えられない社会や制度による障害を描き、単純な無双物にならない面白さがあります。

能力の使いみちも、人のため、より良い世界のためというのが気持ち良く、主人公の良心と秘めた過去の心残りに惹かれるものがあり、自然と応援したくなる物語です。

 

オススメの回

最初の2話で「オレやっちゃいました?」系かと思いましたが、3話目から雰囲気ガラリと変わり俄然面白くなります。

お薦めはその第3話「筆頭宮廷薬師と転生薬学者」です。人を病から救いたいという主人公の強い気持ちと、主人公の父の信念に基づく行動との衝突が見どころです。父親の激しくも理性的な言動、内に秘めた息子への愛が感じられる良回です。

 

オススメのキャラ

理解の及ばないほどの力を突如として得た息子に戸惑いながら、化け物扱いすることもなく理性的に受けとめる主人公の父親が実によいキャラです。

  • 信念に基づいて、息子であろうと正しくないものには断固とした態度を取る。
  • 正しいものには、立場やしがらみ関係なくきちんと認めて評価する。
  • 派手に表に出すことはないが、常に息子を案じて応援している。
  • 地の基礎能力がバリ高い。
  • 奥さんともラブラブ!

 

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「金装のヴェルメイユ〜崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む〜」の評価と感想:あたしを召喚したのはどこのどいつだい?アニメ

留年を回避するため悪魔を召喚してしまった少年と、色気たっぷりお姉さん悪魔が、互いに絆を深めながら共に偉大な魔法使いになることを目指す、学園物アニメです。

「金装のヴェルメイユ〜崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む〜」の評価

見てもらいたい度:🧙‍♀️🧙‍♀️➖➖➖

 

オススメ・ポイント

うぶな少年をからかってたお姉さんが、その少年にドキドキさせられるようになっていく様が見どころでした。悪魔のヴェルメイさんはビッチを気取っているけれど、中身に純な乙女なところがチラリと見えるのが魅力です。

裸もいやらしいというより健康的すっぽんぽん感でセーフ。

優しい男性教師の声が子安先生で役柄バレバレだったり、幼馴染がヒロインじゃなくてギャグ要員だったり、竜騎兵団の青春物の展開が爽やかさに欠けたり、生徒会の面々がいけ好かない連中で、でもそれがストーリーにあまり活きてなかったりするところが残念でした。

ヴェルメイさんのしゃべりはなんと言うのか、姐御風というのかスケバン的というのか、「あたしを召喚したのは、どこのどいつだ~い?」みたいに往年の女芸人のようなことを言い出しそうで、ハラハラしながら観てたのはあたしだよっ!!

 

オススメの回

「第11話 過去」です。

ヴェルメイさんとシスターに迫る人間の方が悪魔。名作「デビルマン」(漫画のほう)の再演のようでした。

 

「金装のヴェルメイユ〜崖っぷち魔術師は最強の厄災と魔法世界を突き進む〜」の関連リンク


 

 

「黒の召喚士」の評価と感想:マトモな女神でよかったアニメ

希少職業「召喚士」として転生した主人公が、転生を司る女神とともに冒険者として活躍する様を描く物語。…というと、どこかで聞いたような物語ですが、こちらの女神はマトモです。

「黒の召喚士」の評価

見てもらいたい度:👼👼👼➖➖

 

オススメ・ポイント

主人公が戦闘狂で、強い相手に「オラ、わくわくすっぞ!」な人なため、闘いは勝てるかわからない相手との真剣勝負となり、無双物とは違う興奮があります。闘いの後に相手と絆が芽生えるところもクサくはなく爽やかでした。

戦闘シーンではときどき 3D 描写が使われています。切り替わりはシームレスとまではいきませんが、ほとんど違和感を感じません。3D で描かれる戦闘シーンにはスピード感と迫力が乗っていて、3Dにした甲斐があったと言えます。

転生前の記憶を消去してるはずなのに、「ここが異世界!?」と異世界という概念を持っていたり、「ステータス」や「ゲーム」も理解してるという点にモヤモヤさせられたり、「米食いたい」とか、「昔の日本みたいだな」とか、それもう完全に記憶あるじゃん!という設定の粗さはご愛嬌。大筋のストーリーが面白いのでそこまで気になりません。

主人公のサッパリした性格と、考えていることがわかりやすい点、行動がフェアなところに好感が持てます。平気で奴隷を買っちゃうシーンには「それでいいのか?」と若干の疑問も感じましたが、(都合よく)前世の記憶が無いせいで人権意識が薄いと考えればなんとか納得です。

ストーリーは超特急です。3話終盤で歩くのもおぼつかなかった奴隷の少女が、4話冒頭ではオリジナル技の魔法弓術を身につけて魔物をぶっ倒します。その間のエピソードが端折られているのがちょっともったいない気もしますが、美味しいところだけを見せてくれるサービスだと捉えましょう。

 

オススメの回

#06 「コメと盗賊と勇者」と #07 「勇者たちとの対戦」です。

ここまでのエピソードが、これをやるための前フリだったかのような回。主人公の人を食った態度と勇者一行の青臭さが、青春物の良き先輩と後輩のように見えてきました。主人公の真意が明らかになるにつれ、主人公の魅力が増していき、このアニメがさらに好きになっていく回でもあります。

 

「黒の召喚士」の関連リンク

 

 

「シャドーハウス -2nd Season-」の評価と感想:理由ある反抗アニメ

顔のないシャドーと、シャドーに仕える生き人形の暮らす館「シャドーハウス」。その支配体制に疑問を抱いたシャドーが、館の謎に密かに挑んでいく物語

「シャドーハウス -2nd Season-」の評価

見てもらいたい度:🌚🌚🌚➖➖

 

オススメ・ポイント

「1期観ましたよね?じゃ、行きますよ」な、一見さんお断りの第2期でした。1期の復習も無く、いきなり本題に入ったはいいけれど、「こびりつき」事件の犯人探しがちょっと長かったと感じます。

1期と比較してゾクゾクする謎と驚きは少なめ、代わりに夢と憧れ、失望と後悔の青春物要素が楽しめました。

ジョンのボケとケイトのツッコミは楽しかったものの、ケイトの同期キャラの登場がジョンに偏っていて、パトリック&リッキーの良さももう少し見たいと思いました。

 

オススメの回

「第11話 ふたりの答え」、普段あんなに呑気そうで能天気な態度を見せていたマリーローズの心の内が語られる、第2期のクライマックスです。

マリーローズやバーバラの過去を知って、私のシャドーハウスの「闇」への好奇心と怖れが、憎しみ側へ少し傾きました。3期を期待して待ちます。

 

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「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇」の評価と感想:女神様おいてけぼりアニメ

神様の眷属となり、その加護を受けながらダンジョンで活躍する冒険者たち。女神ヘスティアと冒険者ベル・クラネルらのヘスティア・ファミリアは、ギルドからダンジョン未到達階層への遠征任務の依頼を受け、他ファミリアとの共同パーティを組んで未踏領域への冒険に挑む。

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇」の評価

見てもらいたい度:🐇🐇🐇➖➖

 

オススメ・ポイント

規格外の行動を取る強力なモンスターとの遭遇編と、リュー様ご乱心編の 2本立ての今期です。他ファミリアの魅力あるキャラとの混合パーティによる冒険で、いつもとは違うダンジョン探索の模様が楽しめます。

ぶっきらぼうなアイシャさんの春姫可愛がりや、ベル君に代わってパーティーを支えたりの「姐さん」ムーブが頼もしく、麗しかったです。

 

オススメの回

「第5話 聖火の英斬」です。絶体絶命の中で発したリリルカ・アーデの叫びに感動の「リリ助成長物語」でした。

このアニメの様式美とも言える、逆境からの大逆転劇はサウナの後の水風呂のよう。何度味わってもその度に気持ちよく、心がスッキリします。

 

「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅣ 新章 迷宮篇」の感想

ベル・クラネルという少年の成長物語と思っていたら、いつの間にか育ちすぎちゃって、固くて食べられなくなってしまった。

迷い無く自信に満ちた完全なるリーダーの風格があり、皆もベル君を頼りにしてる状態です。「第3話 寄生」にて、謙虚な姿勢でメンバーを鼓舞し、沈んだパーティーを蘇らせたベル君。彼の成長を感じるシーンのはずなのですが、「彼ならそれぐらいするだろう」と流してしまいました。

他より頭抜けて強くなり、一人でバンバン活躍しちゃうベル君に、いったい誰がどんな魅力を感じるというのか?(←暴論。弱いながらも逆境の中で必死にあがき、その真摯な姿勢と気持ちに周りも動かされ、事態を奇跡的に克服していくところが私は好きでした。

ベル君とヘスティア様のイチャイチャや、ヴァレンシュタイン氏の天然すっとぼけが見られなかったのも残念です。だいたい、今期ヘスティア様のシーンが少なすぎなんです!

リューさんが暴走するのが唐突だったり、最終回最後の逃げる場面も「急げ!」「早く!」「逃げるんだ!」と何度も繰り返されていて、慌てふためいて必死に逃げる感じがしないし、敵役が無防備に延々と喋ってる間になんでベル君とリューさんはこいつを殺っちまわないんだろう?とか、なんだか間延びした感じがあって、事態の深刻さがいまひとつ伝わってきませんでした。

好きなんですよ、この作品。「深章 厄災篇」も楽しみにしているんです。ストーリーは面白いし、キャラも魅力的で絵も綺麗。文句は無いはずなんだけど。本作への期待が大きかったせいでしょうか、いろいろと気になってしまいました。期待の大きい人気作の評価を辛くしてしまうのは間違っているだろうか?

 

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「転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~」の評価と感想:賢い者と書いて賢者のはずアニメ

最弱の職業「魔物使い」に転生したはずが、仲間にしたスライムの能力を借りてあらゆる魔法を習得して「賢者」となった主人公が、その自覚のないままに異世界で無双するお話。

「転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~」の評価

見てもらいたい度:💧➖➖➖➖

 

オススメ・ポイント

#01「街を守りたくなった」では、街を守りたいという主人公の意思が感じられて見応えがありました。しかし、目立ちたくないからという理由で、活躍の後、夜中に宿の窓から抜け出して黙って街を去る行為はどうなのか。そんな不審な去り方よっぽど印象に残って街中の噂になるし、逆に悪目立ちしてしまうだけでは?

そんな主人公の数々の奇異な振る舞い、それをスルーしまくる周囲、違和感を抱えたまま進むストーリーに、これは世界が間違っているのか、それとも自分がおかしいのかと怖くなってくる。その怖さを楽しむ、これは一種のホラーです。

 

オススメの回

#07「暗殺者に狙われていた」です。

意味ありげな「間」と不条理な展開が味わい深い一作。クライマックスで「なんでやねん!」と叫ぶこと請け合いです。

※この先は、作品に対する言葉による攻撃です。

 

「転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~」の感想

主人公の行動の理由、目的がよくわかりません。そのため、何を期待して、どこを観たらよいのかがわかりません。

主人公に秘めた思いとか、深謀遠慮的なものが感じられず、私にはとても浅い人物に見えています。考えもなしに森を焼き払ったり、必要もないのに片っ端からドラゴンを虐殺しているように見えて、全く共感できません。そんな人物を慕って付いていくスライムやプラウド・ウルフやドライアドちゃんも奇異に映ります。

魔法の発動の多画面操作はカッコいいのですが、「それとそれを組み合わせてそう来るか!」みたいなワクワク感が無いのが残念です。 1+1=2 を見せられている気分です。

 

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「はたらく魔王さま!!」の評価と感想:鉄は熱いうちに打て、二期は早いとこ作れアニメ

勇者に破れ、異世界から現代日本に逃れて来た魔王と、同じく異世界からやってきた勇者、天使、悪魔、それに魔王をパパ、勇者をママと呼ぶ謎の幼女との日常と非日常を通して、主義主張の異なる者同士の闘いと葛藤を描く物語。

「はたらく魔王さま!!」の評価

見てもらいたい度:😈😈➖➖➖

 

オススメ・ポイント

魔王の芯の通った性格、頼りがいのある良きお兄さん的キャラは健在。勇者の魔王に対する考えが、魔王を知るほどに変わっていく様や、そんな自分への戸惑いの描写も衰え知らずです。新キャラのアラス・ラムスちゃんの登場で、魔王や勇者の「慈しみ」の感情も加わり、心の描写の幅が広がりました。

なのですが、キャラクターの作画に問題があります。

一期からキャラデザが変わったのは別にいいんです。作画でキャラが可愛くなくなったとかそういう話ではなく、「お前どこ見て誰に喋ってんだ?」という場面が多くて話が頭に入ってこないのが問題です。

キャラの表情から、今どういう気持ちでいるのかを汲み取ることが難しく、発したセリフの真意を計りかねる場面が多くて、機微や妙味を感じることがありません。アニメが味わうものではなく、ただストーリーを消費するものになった感じ。全編を通じてあらすじを観ているかのように感じます。

ストーリが面白くないわけでもなく、多くの謎や興味深い考えも提示される作品です。悪魔らしさ、勇者らしさ、人間らしさ、それぞれの立場から相手をどう見るか、対立する立場をどうしたらよいのかなど、描いていることも意義あるものでした。

#04「魔王、大切なものを失う苦しみを知る」のガブリエルのセリフなど、所々で謎めいた伏線が張られたり、#09「魔王と勇者、佐々木家を守るために立ち上がる」での魔王の「食物を作る必要のない世界は、社会を形成できない」という意味深いセリフがあったりします。しかし、これが残念ながら頭に残らない。きっと伏線回収されてもフリを忘れてしまっていると思います。もったいないです。

いろいろ詰め込みすぎたのでしょうか。アラス・ラムスちゃんが可愛くてどうせ全部持ってかれちゃうんだから、欲を出さずに、アラス・ラムスちゃん絡みのエピソードだけに終始すればよかったのかもしれない、というのは素人考えの余計なお世話ですね。

一期があれだけの良作だったし、好きでこんなになるわけはなく、二期制作までの間に何かこうならざるを得ない事情があったのでしょう。アニメを楽しむ立場としては、好き勝手に文句を言うばかりじゃなく、日本のアニメ界のためになることも少しは考えないといけないんじゃないかと、大げさじゃなく、そう思いました。

 

オススメの回

#04「魔王、大切なものを失う苦しみを知る」です。アラス・ラムスちゃんを中心に魔王や勇者の気持ちが描かれた良回でした。

 

「はたらく魔王さま!!」の関連リンク

 

 

「リコリス・リコイル」の評価と感想:悟りを開いたスタイリッシュ殺し屋女子高生の生き様を学ぶアニメ

日本の平和を守るため殺人さえ厭わない秘密組織のエージェント、飄々とした千束と堅物たきな二人のバディムービー。

「リコリス・リコイル」の評価

見てもらいたい度:🍡🍡🍡➖➖

 

オススメ・ポイント

絵も動きもシナリオもスタイリッシュ。オープニングアニメでの、ハイハットのシャコシャコ音と、二人が急ぎ足で階段を登るところのシンクロ具合がピッタリはまって気持ち良い。セリフの掛け合いも楽しく、間もバッチリでこれまた気持ち良い。終始観ていて気持ちが良い作品でした。

アクション、笑い、たきなの心の変化など見どころは多いですが、中でも千束の「生きる」こと(自分の「生」だけでなく、他人の「生」)への想い、運命を受け入れて生きるその生き様が一番の見どころです。ただオシャレなだけじゃない、芯のある物語に惹かれました。

一話一話がすごく長く感じます。退屈で時間が経つのが遅いのではなく、中身が詰まっていて、あんこぎっしりで食べごたえたっぷりの鯛焼きを食べてる感覚。

 

オススメの回

「3話 More haste, less speed」です。

終盤のたきなの「ええ」が痛快。千束によって変わっていくたきなの気持ちが臨界点を超え、ここからいよいよ二人の物語が始まる予感を感じさせる回でした。

 

その割に「リコリス・リコイル」の見てもらいたい度が低いワケ

この手のアニメはキャラの行動の細部にリアリティが感じられないとダメだと思うのです。残念ながら、私にはリコリスが訓練を受けたプロフェッショナルには見えませんでした。

2話
リスを先に歩かせて、止める間もなく外にまで出してしまうなんてことあるわけない
5話
水上バスのシーン:護衛対象を独りにして、護衛二人がコーラ飲んで休憩してるなんてあるわけない
駅のホームのシーン:人も多く電車も来る危険な場所で、護衛対象から手も目も離すなんてある?
6話
自宅室内で銃撃戦おっぱじめる。しかもそれがカーテンの隙間を通して外から見える状態になってる。最後には侵入者を窓を突き破ってド派手に外に放り出す。ご近所から通報されて然るべき
8話
店の外のベンチに座って銃の手入れなんてするわけない
10話
セレモニー会場をうろつくインカム付けた目つきのするどい女子高生、どう見ても怪しいだろ
12話
その鞄がそこにあるってことは…、がわからないほど馬鹿ではなかろうに

エージェントや要人警護のリアルがどんなものかなんて実際は知らないし、多分まんまリアルに描いたら面白くもなんとも無いものになってしまうんだけど、物語には「これはリアルだな」とか「ありそう!」と感じさせてほしいのです。リアリティを感じさせるファンタジーと言ったらいいでしょうか。

「制服じゃないときに銃抜くと警察に捕まる」っていうとこもダメでした。制服なら捕まらないってこと?それって警察全体にリコリスの存在が周知されてるってことじゃん?そんなの警察のどこかから漏れて世間にバレるに決まってるでしょう。

と、そんな感じで正直シラケてしまったのです。

 

「リコリス・リコイル」の関連リンク