2022年夏に放送されたアニメの感想やオススメと感じたポイントを、それぞれ簡潔に記しました。

「評価」と記していますが、単なる私の好き嫌いです。当然のことながら、私の評価がその作品の良し悪しにいくらの影響を与えることもありません。私の好みに共感していただけるところがあったら嬉しいです。

目次

 

「異世界薬局」の評価と感想:無双で人を活かすアニメ

薬学研究者が少年へと転生した世界は、医学が発達しておらず、呪術まがいの医療行為が行われている世界。その世界で、前世で得た薬学の知識を駆使し、世のため人のために主人公が奮闘する物語。

「異世界薬局」の評価

見てもらいたい度:💊💊💊➖➖

 

オススメ・ポイント

異世界転生してチート能力を手に入れる、そんな転生物のテンプレを踏襲しながら、チートでは乗り越えられない社会や制度による障害を描き、単純な無双物にならない面白さがあります。

能力の使いみちも、人のため、より良い世界のためというのが気持ち良く、主人公の良心と秘めた過去の心残りに惹かれるものがあり、自然と応援したくなる物語です。

 

オススメの回

最初の2話で「オレやっちゃいました?」系かと思いましたが、3話目から雰囲気ガラリと変わり俄然面白くなります。

お薦めはその第3話「筆頭宮廷薬師と転生薬学者」です。人を病から救いたいという主人公の強い気持ちと、主人公の父の信念に基づく行動との衝突が見どころです。父親の激しくも理性的な言動、内に秘めた息子への愛が感じられる良回です。

 

オススメのキャラ

理解の及ばないほどの力を突如として得た息子に戸惑いながら、化け物扱いすることもなく理性的に受けとめる主人公の父親が実によいキャラです。

  • 信念に基づいて、息子であろうと正しくないものには断固とした態度を取る。
  • 正しいものには、立場やしがらみ関係なくきちんと認めて評価する。
  • 派手に表に出すことはないが、常に息子を案じて応援している。
  • 地の基礎能力がバリ高い。
  • 奥さんともラブラブ!

 

「異世界薬局」の関連リンク


 

 

「黒の召喚士」の評価と感想:マトモな女神でよかったアニメ

希少職業「召喚士」として転生した主人公が、転生を司る女神とともに冒険者として活躍する様を描く物語。…というと、どこかで聞いたような物語ですが、こちらの女神はマトモです。

「黒の召喚士」の評価

見てもらいたい度:👼👼👼➖➖

 

オススメ・ポイント

主人公が戦闘狂で、強い相手に「オラ、わくわくすっぞ!」な人なため、闘いは勝てるかわからない相手との真剣勝負となり、無双物とは違う興奮があります。闘いの後に相手と絆が芽生えるところもクサくはなく爽やかでした。

戦闘シーンではときどき 3D 描写が使われています。切り替わりはシームレスとまではいきませんが、ほとんど違和感を感じません。3D で描かれる戦闘シーンにはスピード感と迫力が乗っていて、3Dにした甲斐があったと言えます。

転生前の記憶を消去してるはずなのに、「ここが異世界!?」と異世界という概念を持っていたり、「ステータス」や「ゲーム」も理解してるという点にモヤモヤさせられたり、「米食いたい」とか、「昔の日本みたいだな」とか、それもう完全に記憶あるじゃん!という設定の粗さはご愛嬌。大筋のストーリーが面白いのでそこまで気になりません。

主人公のサッパリした性格と、考えていることがわかりやすい点、行動がフェアなところに好感が持てます。平気で奴隷を買っちゃうシーンには「それでいいのか?」と若干の疑問も感じましたが、(都合よく)前世の記憶が無いせいで人権意識が薄いと考えればなんとか納得です。

ストーリーは超特急です。3話終盤で歩くのもおぼつかなかった奴隷の少女が、4話冒頭ではオリジナル技の魔法弓術を身につけて魔物をぶっ倒します。その間のエピソードが端折られているのがちょっともったいない気もしますが、美味しいところだけを見せてくれるサービスだと捉えましょう。

 

オススメの回

#06 「コメと盗賊と勇者」と #07 「勇者たちとの対戦」です。

ここまでのエピソードが、これをやるための前フリだったかのような回。主人公の人を食った態度と勇者一行の青臭さが、青春物の良き先輩と後輩のように見えてきました。主人公の真意が明らかになるにつれ、主人公の魅力が増していき、このアニメがさらに好きになっていく回でもあります。

 

「黒の召喚士」の関連リンク

 

 

「転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~」の評価と感想:賢い者と書いて賢者のはずアニメ

最弱の職業「魔物使い」に転生したはずが、仲間にしたスライムの能力を借りてあらゆる魔法を習得して「賢者」となった主人公が、その自覚のないままに異世界で無双するお話。

「転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~」の評価

見てもらいたい度:💧➖➖➖➖

 

オススメ・ポイント

#01「街を守りたくなった」では、街を守りたいという主人公の意思が感じられて見応えがありました。しかし、目立ちたくないからという理由で、活躍の後、夜中に宿の窓から抜け出して黙って街を去る行為はどうなのか。そんな不審な去り方よっぽど印象に残って街中の噂になるし、逆に悪目立ちしてしまうだけでは?

そんな主人公の数々の奇異な振る舞い、それをスルーしまくる周囲、違和感を抱えたまま進むストーリーに、これは世界が間違っているのか、それとも自分がおかしいのかと怖くなってくる。その怖さを楽しむ、これは一種のホラーです。

 

オススメの回

#07「暗殺者に狙われていた」です。

意味ありげな「間」と不条理な展開が味わい深い一作。クライマックスで「なんでやねん!」と叫ぶこと請け合いです。

※この先は、作品に対する言葉による攻撃です。

 

「転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~」の感想

主人公の行動の理由、目的がよくわかりません。そのため、何を期待して、どこを観たらよいのかがわかりません。

主人公に秘めた思いとか、深謀遠慮的なものが感じられず、私にはとても浅い人物に見えています。考えもなしに森を焼き払ったり、必要もないのに片っ端からドラゴンを虐殺しているように見えて、全く共感できません。そんな人物を慕って付いていくスライムやプラウド・ウルフやドライアドちゃんも奇異に映ります。

魔法の発動の多画面操作はカッコいいのですが、「それとそれを組み合わせてそう来るか!」みたいなワクワク感が無いのが残念です。 1+1=2 を見せられている気分です。

 

「転生賢者の異世界ライフ ~第二の職業を得て、世界最強になりました~」の関連リンク


 

 

「はたらく魔王さま!!」の評価と感想:鉄は熱いうちに打て、二期は早いとこ作れアニメ

勇者に破れ、異世界から現代日本に逃れて来た魔王と、同じく異世界からやってきた勇者、天使、悪魔、それに魔王をパパ、勇者をママと呼ぶ謎の幼女との日常と非日常を通して、主義主張の異なる者同士の闘いと葛藤を描く物語。

「はたらく魔王さま!!」の評価

見てもらいたい度:😈😈➖➖➖

 

オススメ・ポイント

魔王の芯の通った性格、頼りがいのある良きお兄さん的キャラは健在。勇者の魔王に対する考えが、魔王を知るほどに変わっていく様や、そんな自分への戸惑いの描写も衰え知らずです。新キャラのアラス・ラムスちゃんの登場で、魔王や勇者の「慈しみ」の感情も加わり、心の描写の幅が広がりました。

なのですが、キャラクターの作画に問題があります。

一期からキャラデザが変わったのは別にいいんです。作画でキャラが可愛くなくなったとかそういう話ではなく、「お前どこ見て誰に喋ってんだ?」という場面が多くて話が頭に入ってこないのが問題です。

キャラの表情から、今どういう気持ちでいるのかを汲み取ることが難しく、発したセリフの真意を計りかねる場面が多くて、機微や妙味を感じることがありません。アニメが味わうものではなく、ただストーリーを消費するものになった感じ。全編を通じてあらすじを観ているかのように感じます。

ストーリが面白くないわけでもなく、多くの謎や興味深い考えも提示される作品です。悪魔らしさ、勇者らしさ、人間らしさ、それぞれの立場から相手をどう見るか、対立する立場をどうしたらよいのかなど、描いていることも意義あるものでした。

#04「魔王、大切なものを失う苦しみを知る」のガブリエルのセリフなど、所々で謎めいた伏線が張られたり、#09「魔王と勇者、佐々木家を守るために立ち上がる」での魔王の「食物を作る必要のない世界は、社会を形成できない」という意味深いセリフがあったりします。しかし、これが残念ながら頭に残らない。きっと伏線回収されてもフリを忘れてしまっていると思います。もったいないです。

いろいろ詰め込みすぎたのでしょうか。アラス・ラムスちゃんが可愛くてどうせ全部持ってかれちゃうんだから、欲を出さずに、アラス・ラムスちゃん絡みのエピソードだけに終始すればよかったのかもしれない、というのは素人考えの余計なお世話ですね。

一期があれだけの良作だったし、好きでこんなになるわけはなく、二期制作までの間に何かこうならざるを得ない事情があったのでしょう。アニメを楽しむ立場としては、好き勝手に文句を言うばかりじゃなく、日本のアニメ界のためになることも少しは考えないといけないんじゃないかと、大げさじゃなく、そう思いました。

 

オススメの回

#04「魔王、大切なものを失う苦しみを知る」です。アラス・ラムスちゃんを中心に魔王や勇者の気持ちが描かれた良回でした。

 

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