異世界帰りのおじさんと一緒に、大画面テレビ鑑賞会をする物語です。

「異世界おじさん」の評価

見てもらいたい度:🕹️🕹️🕹️🕹️➖

 

オススメ・ポイント

『母さん… 母さん……』とか、ベタなお涙展開に持っていくと見せかけて裏切る。

イイ感じの恋愛モードに入ると思わせて裏切る、RPG の定番のシチュエーションに入ると見せかけて裏切ってくる。その裏切りまくりが徹底していて、痛快に意表を突かれ、爆笑してしまう、そんなアニメでした。

異世界の力を保ったままこちらの世界に帰ってきたという設定のおかげで、異世界における現代社会とのギャップだけでなく、またその逆もと、ネタの幅が広がります。異世界に行っていた 17年間の空白期間も、おじさんに煽り耐性が無いとか、ツンデレ概念が無いなどのネタに上手く活かされていました。

おじさんが見せてくれる異世界エピソードはとても面白く、普通の転生物でも十分成立したかもしれません。しかし、「異世界と、この世界とのギャップ」、「ジェネレーション・ギャップ」、「ダメ人間然としたおじさんの説得力ある人生訓、と思ったらゲームの話、だけどかっこいい」、といった様々なギャップを駆使しながら、こちら世界の一般常識の視点でツッコミを入れていくという形式にしたことが、このアニメならではの楽しさを生んだポイントではないかと思います。

おじさんのキャラは淡々、ひょうひょうとしていて、嫌味がありません。例えが秀逸だったり、表現力の高い語りにも惹かれるものがあります。このキャラの魅力のひとつは声のトーンにあったんじゃないかと思いました。変にテンション高かったり、スカしてたりしたらこの味は出なかったんじゃないかなと思います。

ところで、オープニングはセガ・ゲームの何かの作品のオマージュなのでしょうか?

 

オススメの回

どの回を観てもハズレ無しの安定した面白さですが、ここでは可愛いツンデレエルフと、おじさんエルフ、鼻タレ藤宮さんを見ることのできる、第3話「叔父がいるなら叔母もいるものです、わ」をお薦めしておきます。

 

おじさん・おばさんは皆、「異世界おじさん」

「アラフォー」も知らないおじさんは、「親ガチャ」もわからないでしょうね。ヘタしたら「ガチャ」さえわからないかもしれません。

若者とおじさん・おばさんの間のギャップは、普通にある身近なことです。おじさんは若者の間で流行っている新しい文化のことはわからないし、若者はおじさんが生きた時代のことは経験していません。

おじさんが語る異世界話は、若者が知らない過去に起きたこと、過去の時代感を語って聞かせているようなものかもしれないなと思いました。

若者とおじさん・おばさんは、お互い異世界の住人なのかも。

 

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