評価というより "私の好き嫌い" です。評価が低いのは作品が駄目ということではなく、その良さに私が気付けなかっただけです。
お勧めポイントや残念に感じた点に共感していただけたり、作品の魅力の発見に繋げていただけると嬉しいです。

 

参考記事:2025年 冬アニメ 54作品の原作・スピンオフ一覧

『あのアニメに原作はあるの?』『関連作品はどんなのがある?』という疑問の解決に役立てば幸いです。

 

目次


  

アニメ「悪役令嬢転生おじさん」の評価と感想:"おじさん"が一服の清涼剤になるとは…


悪役令嬢へと転生したおじさんが、悪役を全うしようと努力するものの、根が良い人なばかりに空回りしてしまう。
転生という突然の異常事態にも『なるほど、これが乙女ゲームの世界か』と平常心を乱さないおじさんの年の功に刮目せよ!

「悪役令嬢転生おじさん」の評価

見てもらいたい度:🪭🪭🪭🪭➖

 

オススメ・ポイント

  • 地味で目立たないけど誠実で思いやりのある主人公。こういう人がいるから社会はうまく回るというよい勉強になる。
  • ゲーム名の”ビースト”って何?とか、1話で出てきた卵は?など、こちらの疑問にちゃんと丁寧な回答をくれる。
  • しかも、単なる説明にとどまらず、それがこのゲーム(物語)において重要な要素になってることで興味が喚起され面白さが増すという無駄のなさ。
  • 枯れたおじさんが故か、性別が変わったことによる戸惑いや、よくある H ネタ(見飽きました)が一切無いのが良い。
  • 絵も動きも良く、例えば OP 後半のわちゃわちゃしたところをスローで観るのも楽しい。
  • 結局何も解決してないし、様々な謎も残ったまんまだったけど、満足感あり。

 

オススメの回

第2話「おじさん、魔法使いになる」です。

悪役令嬢が幼ない頃は悪役的性格ではなかったというエピソードが、キャラクターが自身の歴史を持った一人の人間であることを実感させ、彼女への感情移入を誘います。

猫耳メイド見習いっ子の、お菓子を食べたいけど食べていいのか?の葛藤シーンは、可愛い上に間も良くて何度も繰り返し観てしまいました。

 

残念ポイント

どの回もパターンが違うだけでやってること同じじゃないか、と言えなくもないですが、私にはそこが良かったです。この調子でずーっと観ていられます。

悪役令嬢の幼ない頃からの性格の変化や、おじさんの夢の中で籠に閉じこもっていた悪役令嬢の理由とその後を描いてほしかった、というのもありますが、これはこれで答えが無いことで想像が膨らむ"余白"として楽しめる側面もあります。

要するに、残念な点はほぼありませんでした。

 

「悪役令嬢転生おじさん」の雑多な感想

これが、"父親が事故で植物状態になったことがショックで狂ってしまった娘による妄想"を描いたものだとしたら?と、ふと思いました。

  • ただの普通の乙女ゲームが、彼女の眼には父親の入り込んだ世界に見えている。
  • 周りの尊敬を受けるようなおじさんの態度や行動も、娘の理想の父親像を反映したもの。
  • 母親はカウンセラーの指導を受けながら娘に寄り添っていて、そう考えると『それで、これは何か重要なイベントなんだっけ?』という場面切り替えのはずのセリフが違うニュアンスを持って聞こえてくる。

などと、空想も楽しめる作品でした。

タイトルだけで試聴を決めた、いわゆる"ジャケ買い"でしたが、大正解!
2期はぜひ観たいです。いや、絶対来てほしいです。いや、必要です!
今のギスギスした世の中に、この暖かくて爽やかな入浴剤のようなアニメの 2期は絶対に必要です!

 

「悪役令嬢転生おじさん」の関連リンク

 

 

アニメ「アラフォー男の異世界通販」の評価と感想:やっぱり男は甲斐性だよね


わけもわからず異世界に転生、というより移動した主人公が、使い慣れた通販サイトを頼りに右も左もわからない世界で何とかうまいことヤッていく。
「独りでのんびりと生きたいのさ」みたいな素振りを見せながら、ヤルときはしっかりヤル主人公に刮目せよ!

「アラフォー男の異世界通販」の評価

見てもらいたい度:🍛🍛🍛➖➖

 

オススメ・ポイント

  • 無理せず、欲をかかず、気ままにやりたいことをやってる姿に憧れる。
  • 厳しい世界ゆえに、女性陣が主人公の甲斐性に惹かれる説得力と納得感。

設定が斬新とかストーリーが抜群に面白いわけではないけれど、主人公やヒロインたちにわざとらしさや嘘くささやがなく、その日常とちょっとした事件に魅力を感じて次回が楽しみになってしまう作品です。

 

オススメの回

第6話「本好きの…」です。
新しい生活が本当に楽しそう。自由でのどかで幸せそうで、主人公が羨ましくなります。

 

残念ポイント

第3話「大森林の小さな家」にて、通販サイトの力で "のんびりスローライフ" のはずが、同じ世界から来たらしいライバル(マヨネーズ魔導師)の登場で一気に根底から危うい!下手したら消される。バレないように隠れてひっそり暮らすか、それとも共働を図るか?最悪、やられる前にやる!?
なんて思っていたのに、「そんな人、いましたっけ?」とばかりに、その後のストーリーに全く絡んでこなくて拍子抜けです。

領主が出てきたり悪徳商人をやっつけるあたりから、自由気ままさが減って窮屈さが感じられるようになって、この作品の良さが弱くなったように感じました。

 

「アラフォー男の異世界通販」の雑多な感想

「この通販どういう仕組み?」という疑問を初回で主人公が語り、シンプルに「わからん」と結論づけて視聴者が疑問や違和感を感じ続けることを防いでいます。
何気なくこういうところをちゃんと押さえているから、作画がダメだったり、動きとセリフの間がおかしかったり、ストーリー上のおいしいネタをすっ飛ばしたりしても、ちゃんと観ていられるのかも。

"マヨネーズ魔導師" と "少女帝国" は次のお楽しみということですね。
二期があったら嬉しいですが、果たしてこの微妙で不思議な面白さが出せるのか、ちょっと不安です。(← 素人の余計な心配)

 

「アラフォー男の異世界通販」の関連リンク

 

 

アニメ「いずれ最強の錬金術師?」の評価と感想:中途半端な終わり方でも満足感あり


(雨宮さんだから駄女神だろうと思っていたけど、どうやらちゃんと考えているらしい)女神様に救世主として送り込まれた主人公が、多くの人々と助け合いながら少しずつ世の中を良くしていく。
主人公の一貫した自然体での人の良さと、あざとさの足りない(だが、そこが良い)ヒロインたちに刮目せよ!

「いずれ最強の錬金術師?」の評価

見てもらいたい度:🚽🚽🚽➖➖

 

オススメ・ポイント

  • ただのチートで強くなって気がついたらハーレムでした、ではないところ。
  • 主人公が謙虚で優しく利他的なので、たとえハーレムでも無双でも見ていられる。
  • 敵役以外の登場人物が皆良い人で観ていて気持ちが良い。
  • 主人公の他人を思いやる気持ちを意気に感じ、それに応えようとするヒロインたち。ハーレムではなく仲間や同志という感じが出ている。

 

オススメの回

第三話「契約と誓い」です。
第一、第二ヒロイン登場の回。主人公の徳の高さがいよいよ発揮されます。

エルフ(ソフィア)さん、ちょっとデレるの早すぎ。人間(マリア)さんが夜伽NGだから、私を治してあんなことやこんなことをさせる気では?とか、もっと疑ってほしかった。ネガティブ・強がりな態度で粘りに粘ってから、満を持してのデレのギャップを味わいたかったです。

 

残念ポイント

3話まではテンポよく展開しましたが、その後の予定調和的な魔物退治と装備作成の繰り返しがストーリーの足踏みのように感じられて、いささか退屈に感じられました。

錬金術エピソードとして、モノ作りの楽しさがいまいち伝わってこなかったのも残念です。

 

「いずれ最強の錬金術師?」の雑多な感想

最終話「絆が試される時」での戦闘場面は、いままでとは段違いの迫力を感じました。
いよいよ勇者と出会ってこれから!というところで終わるのは残念でしたが、意外と不満が残ることはなく期待が膨らむ上手な終わり方でした。

 

「いずれ最強の錬金術師?」の関連リンク

 

 

アニメ「Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士として暮らしてます」の評価と感想:ベヒーモス(聖獣)かブヒーモス(性獣)か?


猫っぽいベヒーモスに転生した元騎士が、戦士を目指す美麗エロフに拾われ、一宿一飯一お風呂の恩義から、彼女を守ろうと騎士魂を燃やす。
美麗エロフをはじめ、意地でもまともなキャラは出さない、一癖も二癖もある変態キャラのオンパレードに刮目せよ!

「Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士として暮らしてます」の評価

見てもらいたい度:🐱🐱➖➖➖

 

オススメ・ポイント

  • テンポの良いストーリー運び、セリフじゃなくて絵で語ってくれる演出。
  • こっちが主役では?と思えるほどキャラの立ったサブヒロイン、ドラゴニュートのステラちゃんの存在感。
    • 生い立ちがドラマチック
    • 人間を超越した考え方や感情
    • 主人公の行動や心への多大な影響力
  • 騎士のころの記憶とネコ(ベヒーモスだけど)の習性との落差。

 

オススメの回

第8話「エルフ娘のお引越し」です。
新生活の楽しさ、ワクワク感が感じられます。

ドライアドとピクシーの特殊能力と強さ、猫耳ちゃんの正体の謎も加わって、キャラに奥行きを出した上で物語の新展開へと上手に繋げる回でした。

しかし、浴室が大きくて邪魔だから格安の不動産物件て、そんなことある?大きくて邪魔な浴室ってどういう世界観?

 

残念ポイント

あからさまなスケベ描写や変態チックなキャラ設定がいささか不快でした。そんなところに特徴出さなくても十分面白かったのにと思います。

 

「Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士として暮らしてますy」の関連リンク

 

 

アニメ「Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。(第1部)」の評価と感想:社会人としては E ランク


Aランクパーティを退職してプラプラしてたところを元教え子に拾われ、「さすが先生!」などとおだてられてすっかりその気になり、手のひらで転がされてるとも知らずにパーティ・リーダーという名の雑用係に今日も精を出す主人公。
異世界、冒険、配信で大人気、可愛い女の子たちに頼りにされる、そんな「おとこのこ」の夢が全て叶う、素晴しき世界に刮目せよ!

「Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。」の評価

見てもらいたい度:🍀🍀➖➖➖

 

オススメ・ポイント

ダンジョンクエストを配信する、という設定が斬新です。
配信がギルドのダンジョン情報収集や、魔物討伐の証明にも使えるなど、設定がしっかり固めてあります。

稼ぎの手段がスポンサー契約だったり、そのためのマーケティング手段がクエスト配信というのもユニークで、スポンサー獲得のため、パーティのアピールや他パーティとの競争が必要なのはリアリティを感じました。

 

オススメの回

#1「クローバー誕生」です。
求職欄への記入で主人公のキャラ紹介を済ませるとは、見せ方が上手です。

 

残念ポイント

社会人としていかがなものか。

  • パーティ離脱のとき、そんな辞め方しちゃいかん。だから変な絡まれ方される。
  • 子供を従えていい気持ちになってちゃいかん。だから変な絡まれ方される(2回目)。
  • 敵役に対する主人公の態度や行動が、いちいち禍根を残すようなやり方。
  • 教え子に好意を示されてすぐその気になる。

 

「Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。」の雑多な感想

#4「影の人(シャドウストーカー)」での、ダンジョン探索中や戦闘中の主人公のよそ見が気になります。緊張感が無く浮ついて見える。女の子と一緒の冒険が楽しくてしょうがないのかお前は。

#9.5「パーティ特集!クローバー」は総集編でしたが、劇中の配信での主人公パーティ特集番組として見せるアイデアは面白いですね。 (しかし、配信のパーソナリティが化物なのはどういうわけか?化物が化物退治の配信をとりしきってる、これは一種のマッチポンプ?)

 

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アニメ「ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います」の評価と感想:そりゃ残業は嫌だけどさ


新ダンジョンの発見や強大なボスの出現は、ギルド窓口にたくさんの冒険者を呼びよせ、受付嬢を残業地獄へと突き落す。
そんな状況を打破すべく間違った方向に猛進していく主人公の悲しき性に刮目せよ!

「ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います」の評価

見てもらいたい度:🗃️🗃️➖➖➖

 

オススメ・ポイント

  • 絵が綺麗
  • 主人公の戦いのバーサーカーっぷりが豪快
  • デレないヒロイン(主人公)のデレない理由、黒幕の悪事の動機、新しい仲間がくれた暖かさで描く喪失と立ち直りの物語

 

オススメの回

#8「ふがいない回復役(ヒーラー)ですが、私のできることを全うしようと思うのです」です。
主役の『死なないでよね』のセリフに、いろんな気持ちが込もっているだろうことが過去のエピソードから想像されるのと、いつもは頑固で不器用で意地っぱりな主役がこのセリフを発したことにぐっときました。

 

残念ポイント

主人公の"死ね"とか"クソ"とか言葉が汚くて聞くに耐えない。そうじゃない面も持ってるキャラなのに勿体ない。
過去のエピソードから想像される、好意を示してくれる相手を素直に好きになれずにブレーキをかけてしまう理由や、自分のために他人を犠牲にはしない態度など、魅力的な深みも多くあったのに、全て"クソ"で台無しです。

終盤の黒幕が○○だったという意外性は良かったし、悪事の動機も感情移入できそうなものでした。けれど、事前の匂わせや伏線が足りなくて唐突な感じがし、悪く言うと取ってつけたような話に感じてしまいました。

 

「ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います」の雑多な感想

平穏な生活のために障害をぶっ潰す。その障害はどう見ても「悪」ではあるけれど、それにしても危うい考えだなと思います。

クソだー!はまぁその通りなんだけど、それ言っても解決にならないし、別にスッキリもしないし嫌な気分が増すだけなのよね。
せっかく戦闘シーンの主人公が躍動するアクションは豪快で観ていて気持ちいいのに、"クソ"という言葉でその爽快さも消えてしまいました。

主題は主人公の過去エピソードや黒幕の悪事の動機、新しい仲間とのふれ合いに見られる喪失とそこからの立ち直りの物語で、"残業"は単なるフックに過ぎなかったはずが、変に"残業"が悪目立ちしてしまったのでは?

 

「ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います」の関連リンク

 

 

アニメ「サラリーマンが異世界に行ったら四天王になった話」の評価と感想:企業の研修に使えそう


異世界に召喚され、わけもわからず魔王軍の四天王に据えられたサラリーマンは、プレッシャーとストレスに潰されてしまうのか?それとも?
イマジナリー居酒屋でくつろぎながらも、結局は仕事のことを考えてしまう、いまどき居ない昭和チックなサラリーマンの生き様に刮目せよ!

「サラリーマンが異世界に行ったら四天王になった話」の評価

見てもらいたい度:🍶🍶🍶➖➖

 

オススメ・ポイント

主人公のサラリーマン(たぶん商社系)時代の知識と経験で、真面目に、そして意外性のあるかたちで問題を解決していく点が魅力です。解決困難だったり窮地に追い込まれてからの逆転劇の痛快さと、「その手があったか!」のアハ体験が楽しめます。

主人公がその実績と人柄で味方を増やしていくところは、大げさなところや嫌味なところが全く無く、終始気持ちよく視聴できました。

魔王軍の中での魔人と亜人の対立、それぞれの種族の特性や慣習などの設定もストーリーに上手く活かされています。

 

オススメの回

第3話「これでわかった!四天王コミュニケーション」です。
主人公にほの字になってからの筋肉ヒロイン・ウルマンダー姐さんがいじらしくてとても可愛いです。

 

残念ポイント

バーチャル居酒屋、あるいはイマジナリー居酒屋で問題解決の糸口をひらめく演出は楽しかったけれど、毎回だとちょっと無理やりに感じられることもあって、効果や面白みが減ってしまったのが残念でした。

 

「サラリーマンが異世界に行ったら四天王になった話」の雑多な感想

第2話「石頭な族長を虜にする交渉術」にて、交渉相手に魔王様を侮辱されて『ウルマンダーさんが居なければ、私がキレるところでした』という主人公。魔王様とそこまでの関係になってなくない?この段階でまだ早いでしょと思いましたが、よくよく考えたらこれはウルマンダー姐さんの気持ちを収めるための方便ですね。社会人としてほんとに有能です。

これだけ有能なサラリーマンがなぜ元の世界で出世できなかったのかずっと不思議だったけど、最終回でその理由が分かりました。

最終回、なんだか自己啓発セミナーみたいになっちゃいました。もっとウルマンダーさんとの絡みが欲しかったです。

 

「サラリーマンが異世界に行ったら四天王になった話」の関連リンク

 

 

アニメ「全修。」の評価と感想:それでもアーニメーターは描く!


アニメ界の若き巨匠が映画の世界に迷いこみ、勇者パーティと共にアーニメーターとして世界を救う戦いに挑む。
アーニメーターの目にも止まらぬ 2B鉛筆捌きから繰り出される、三徹の作業分の作画で描いた、きっとどこかで見たことある召喚魔法に刮目せよ!

「全修。」の評価

見てもらいたい度:🦄🦄🦄🦄➖

 

オススメ・ポイント

  • 登場人物のセリフや行動に、無駄・もったいぶり・思わせぶり・意味不明なところが無く、ストーリーに集中できる。
  • 恋物語としても、克服と成長のお話としても、創作者あるあるとしても楽しめる。
  • 運命の運命たる所以、自由に泳いでいるようで実は深淵の底に繋がれているような残酷さが怖いけど美しい。
  • 例えば、中盤までのあっさりした平和さや呑気さが、後々の「無駄」「いいわけあるか」に効いてくる、そんな展開の巧さ。
  • ユニオが、本当は泣き虫の甘えん坊だろうに、勇者の幼馴染でナインソルジャーだから、だから強くなくちゃいけないと自分を隠して、強がって、頑張ってる姿がいじらしい。など、キャラが魅力的。
  • 物語から喚起される感情を増幅してくれる、劇伴を含めた音楽が素晴しい。

 

オススメの回

そりゃもう最終回、#012「全修。」なのですが、ここは敢えて、残酷な運命が本領発揮し最終話クライマックスヘ向けて世界が狂っていく#09「勇者。」を推します、と言いたいのをグッとこらえて#05「正義。」にします。

#05「正義。」は主人公の歯車が狂い始める転換点で、キメポーズや孤児院誘導アクションの楽しさ、ヒロイックで人間味のある魅力的な脇役登場など、見所の多い回でした。

 

残念ポイント

#04「永遠。」にて、パーティメンバーの裏切りという大問題にもかかわらず、推しメンひとつであっさりとしこりも残さず解決。こんな軽くお手軽でいいのか?と思いましたが、この「これでいいの?」というちょっとした不安と違和感が後々効いてくるんですよね。

と、いうことで、残念な点はほぼありませんでした。

 

「全修。」の雑多な感想

描いても描いても何も変えられない、それでも描くことでしか解決できない、克服できない。
勇者は誰かのために戦うことで勇者となり、アーニメーターは誰か(自分かも)のために描くことでアーニメーターでいられる。戦うことを、描くことをやめたら、超空洞ヴォイド(虚無)に堕ちる。

自分の好きなもの自分の原点を、ただ憧れるだけで終わらずにその先へと越えて行く。それも大人になるということの一つなんだろうなと、最終話の爽やかな結末を観て感じました。
自分の大切に思っていること、ずっと好きなもの、私にはそういう原点みたいなものがあるだろうか…?

 

「全修。」の関連リンク

 

 

アニメ「戦隊レッド 異世界で冒険者になる」の評価と感想:これは嘘くさくない「絆」だぜ!


異世界に転移した戦隊ヒーローが、新たな戦隊(冒険者パーティ)を組んで、悪の組織(魔族)との戦いに臨む。
視聴者が感じてはいるけど黙っている戦隊モノのお約束にガンガンツッコんでいく、主人公とヒロインの夫婦漫才に刮目せよ!

「戦隊レッド 異世界で冒険者になる」の評価

見てもらいたい度:🩹🩹🩹➖➖

 

オススメ・ポイント

  • 異世界の人が初めて見る戦隊モノの変身シーンなどへのリアクションやツッコミが愉快。
  • 無自覚系の主人公だけど、"なんかやっちゃいました?"系にならず、嫌味を感じさせない上手いバランス。
  • 主人公がただの熱血脳筋絆バカで終わらず、心の傷や闇を抱えているところ。
  • 異世界ブルーが見せる、これぞ男のツンデレ。
  • Aパート後 CM 前の、装備や必殺技の解説など、細かいところに戦隊モノへの愛が感じられる。

 

オススメの回

第06話「戦隊レッドと魔導士の夢」です。
派手な戦闘も変身シーンも無かったけれど、"魔力の種"に関するストーリーの進展や、物語の本筋であったヒロインの悲願エピソードの進展、主人公とヒロインの仲の進展と盛り沢山の回でした。

 

残念ポイント

砂漠のエルフ編に入った当初、ヒロインをはじめ旅の仲間たちがモブになってしまったのが残念。話が広がったというより散漫になった印象を受けました。

そもそもヒロインの悲願とライバルのエピソードはどこ行った?

 

「戦隊レッド 異世界で冒険者になる」の雑多な感想

第12話「キズナブラック」での "傷口を塞ごうと何枚も絆創膏を重ねるが、どんどん剥れ落ちていく" という描写で、主人公が絆を求めるのはただの熱血絆好きなどではなく、その理由に悲痛な思いがあったんだと知り、最終話にして突如(やっと?)主人公の人間像に深みを感じました。

第08話「戦隊レッドとバンソウキラー」にて主人公を評した『言ってることは青臭くてめちゃくちゃなのに、妙な安心感と説得力がある』というセリフ。私も似た感想で、青臭いけど信頼できて、こちらをその気にさせるキャラだなと感じていました。
"絆"とか嘘くさいし、わざとらしいし押し付けがましい感じがあって好きじゃなかったけれど、この主人公のせいで少し印象が変わりました。

 

「戦隊レッド 異世界で冒険者になる」の関連リンク

 

 

アニメ「日本へようこそエルフさん。」の評価と感想:タイトルって難しいね


日本人とエルフさんが一緒に相互の世界を行ったり来たり。そこにドラゴンさんも加わって、ラブあり、コメあり、温泉、グルメに異世界ファンタジーまで、ギュッと詰め込んだ松花堂弁当。

奥さんの目の前で、その旦那さんとの友達以上恋人未満の関係を演じ、さらには奥さんから恋のアドバイスを受けるという背徳のシーンに刮目せよ!

「日本へようこそエルフさん。」の評価

見てもらいたい度:🍱🍱🍱➖➖

 

オススメ・ポイント

  • 海外からの旅行者に日本を褒められると嬉しいとか、県外の人から故郷を『いいところだね』と言ってもらえると嬉しいといった気分を味わえる。(その要素は薄かったけど)
  • (好意的に見れば)日本と異世界の 2本立てエピソードを楽しめる。
  • エルフさんの純真美少女キャラと、ドラゴンさんの頼れる姐御キャラのバランスが抜群にいい。
  • 初々しい恋の芽生えの描写が綺麗。

 

オススメの回

#4「おやすみなさい、エルフさん。」です。
エルフさんの無邪気な可愛さを満喫できます。

図書館の自動ドアが気になったり、その後テケテケ走りで主人公に駆け寄ったり、細かいところで可愛らしさを感じさせてくれました。

 

残念ポイント

異世界パートも決してツマラなくはないんだけど、タイトルから期待される日本での様子を観たいがために異世界パートが余計なものに感じられてしまった感があります。
魅力的なキャラであるドラゴン姐さんが異世界だけでなく日本にも来てしまったから、さらに異世界パートの意義が薄くなってしまいました。

エルフさんの愛らしさが大きな魅力なのですが、その作画に不安定なところがあったのも残念です。

 

「日本へようこそエルフさん。」の雑多な感想

タイトル付けって難しいし、恐いなと感じました。もし、ラブコメやファンタジーものを連想させるタイトルだったら、作品の評価も変わっていたかもしれません。

語彙力がなさすぎるアニメ好きさんがこのように仰っており、私も似た感想を抱いていました。

そして、「江戸前エルフ」を先に観ていたから私はそう感じるのかもな、とも思いました。
もし、「日本へようこそエルフさん。」を先に観ていたら、私は「江戸前エルフ」を観て『あれ?異世界のほうの話は無いの?なんか物足りないな…』なんて思ったのかな?

 

「日本へようこそエルフさん。」の関連リンク

 

 

アニメ「外れスキル《木の実マスター》 ~スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について~」の評価と感想:なぜ土壇場で食う?


スキルの実をいくらでも食べられるようになり、"スキル取り放題"になったにもかかわらず、頑なにスキルの実を食べようとしない主人公の奮闘ぶりと、主役そっちのけでフィナーレを飾るヒロインの無法っぷりに刮目せよ!

「外れスキル《木の実マスター》 ~スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について~」の評価

見てもらいたい度:🍕🍕🍕➖➖

 

オススメ・ポイント

  • 反骨精神旺盛で前向きで憎めない主人公。
  • 女子キャラクターがそれぞれ個性があって皆可愛い。
  • ちっちゃい子のノリが特に良い(もっと辛辣な毒舌でもよかった)。
  • 踊り子がデレないのもイイ!
  • OP のスローモーションシーンの音楽とのシンクロが気持ちいい。
  • 第5話「波乱の舌戦」にて、メインヒロインを出張中にしてサブヒロインに視聴者の意識を集中させる、サブヒロイン登場の邪魔をしない措置など演出が巧い。
  • (良し悪しだけど)謎と新展開への期待を残しての幕引き

 

オススメの回

第1話「唯一の素材」です。
世界観の説明から主要キャラの紹介、今後のストーリーの展開予告まで、コンパクトにテンポよくまとめたアニメの第一話のお手本のような回でした。

 

残念ポイント

いろいろ理屈がおかしい

第8話「不屈の灯火」で、主人公が原因で工房が襲われたのに、自分を襲ってきた悪党を退けただけの主人公に『ありがとう』はないでしょう。

第9話「湖畔の再会」で、探してる踊り子がどの娘か、街の一般市民でも知ってることをなぜチャーハン国家調査官が知らないの?


主人公不在のクライマックス

第12話「宵の明星」は壮大な時間のロマンを感じるエピソードで見応えがあったのだけど、踊り子・メインヒロインチームと、主人公・ちっちゃい子チーム側の話の繋がりが弱くて、ほぼ別のアニメになってしまったのは残念。

 

「外れスキル《木の実マスター》 ~スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について~」の雑多な感想

だから、スキルの実は事前に食べておけとあれほど…。
なぜギリギリの緊急事態に陥ってから食べる?食べたら体調悪くなるのなら、なおさら平常時に食べておきなさい。
新しく得たスキルは時間制限があるとか、前のスキルが一個なくなる(スキル交換)とかならわかるけど。そうじゃないでしょ?

それとも、主人公がスキルの実を食べなかったり、睡魔の子が無理する主人公を気遣って「寝ろ寝ろ」と勧めながら自身の睡魔の力で眠らせたりしないのは、「力を使って解決する」ということが安直で恥ずかしいこととかの社会通念があったりする世界?

 

「外れスキル《木の実マスター》 ~スキルの実(食べたら死ぬ)を無限に食べられるようになった件について~」の関連リンク

 

 

アニメ「不遇職【鑑定士】が実は最強だった」の評価と感想:それは"鑑定"っていうのかな?


世界樹の妖精によって生まれ変わった主人公が、共に妖精の姉妹を探す旅に出る。
なぜか分からないが世界樹にモテモテで、いろんな恩恵を受けまくる主人公の勝ち組っぷりに刮目せよ!

「不遇職【鑑定士】が実は最強だった」の評価

見てもらいたい度:🌲🌲➖➖➖

 

オススメ・ポイント

  • 世界樹お嬢ちゃんとそのお母ちゃんと一緒に、世界樹姉妹を探す旅というユニークさ。
  • 主人公がいい奴。
  • 容姿も性格も個性豊かなヒロインキャラがいっぱい。

 

オススメの回

#6「VS. ゾイド」です。

主人公は運がよかっただけで、たまたまのご厚意で力を手に入れた、と私も思っていました。一話丸々その点を追求するこの回は、いつもと違う主人公の内面を描くシリアス調で、「主人公もちゃんとそういうこと考えてたんだ」と共感を覚えたエピソードでした。

大量の涙を排出しながら『俺、強くなれたのかなぁ…』と呟くのは大げさでツーマッチですが、それは(この回に限らないので)マイナスにはなりません。

 

残念ポイント

  • 世界樹ちゃんや王女が何故この主人公にゾッコン・ラブなのかわからない。
  • 『ありがとう』と言っただけで破格の待遇。話がうますぎる。
  • 鑑定した相手の力を自分のものにできるって、それもう鑑定スキルじゃないから。
  • さっさとトドメを刺せばいいに『教えといてやる』とかイキってる間に逃がしちゃったり、シラケるのよ。
  • 主人公ってこんな性格だったっけ?と感じる場面が多かった。
  • 大げさでわざとらしいキャラが多い。
  • (設定はユニークで面白いと思うんだけど)姉妹探しの旅に興味が持てない(本当にごめんなさい💦)。
    • 動機、必然性、重要性がわからない。
    • 助けてくれた恩返しに願いを叶えてやりたいという主人公の気持ちはわかるが、熱量が感じられない。
    • お嬢ちゃんの姉妹に会いたいという気持ちにもあまり熱が感じられない。

 

「不遇職【鑑定士】が実は最強だった」の関連リンク

 

 

アニメ「没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた」の評価と感想:いろいろインスタント過ぎる


『魔法楽しいし、暇だから極めてみよう』とのんきな事を言っている、没落中の貴族の三男に転生した主人公だったが、国造りとか人助けとかでとても暇そうには見えない。
黄金竜に憑依され、あれよあれよという間に出世してゆく主人公のサクセスストーリーに刮目せよ!

「没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた」の評価

見てもらいたい度:🐲🐲➖➖➖

 

オススメ・ポイント

自立を目指して魔法を工夫してのお金儲けにワクワクさせられていたのも束の間、話のスケールがどんどん大きくなって国造りまで始まり、さらにワクワクさせてくれます。

王女を前にして『仲間を見世物にはできない』と突っ張ったり、困っている人に手を差し伸べる主人公の男気が格好いいです。

兄弟間の「なあなあ」ではない関係から感じられるこの社会の厳しさや、他国救済時に見られた個人の思いと国家としての策略などに見応えを感じました。

 

オススメの回

#6「リアム、すごい鎧を作ってみた」です。

仲間づくりと軍事力増強に集中したエピソードで頭に入ってきやすく、満足感が高いエピソードでした。

 

残念ポイント

国造りとか魔法の工夫とか見どころはあるのですが、様々なインスタントさが軽すぎました。
どの子もデレがインスタント。仲間づくりも国家樹立も魔道具生成もインスタント。あまりにスイスイ行きすぎて面白みが薄かったです。

魔力の向上や魔法技術の上達も苦労してる感じがなく、凄さが伝わってきませんでした。あの偉大なるラードーン(黄金竜)様がびっくりしてるから、きっとスゴいんだろうなという印象しかないです。本当に凄い人は簡単にやってるように見えるというのはあるけれど、それをアニメでやってもしょうがないですしね。

 

「没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた」の雑多な感想

ヒロインは子供ラードーンと王女だけでよかったのでは?他の子は影が薄くて名前さえ覚えていない…

#10「リアム、海を作って遊んでみた」での強引な水着回導入、どこかに水着回入れないとアニメ産業協会とかから罰金でもあるのでしょうか?

国の外交がらみのエピソードあたりから面白みが増し、最終回も上手くまとまっていて高印象でした。途中の様々なインスタント具合が残念です。

 

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アニメ「マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~」の評価と感想:禁断の求愛玉メイカー


『異世界転生したのに魔法が存在しない…、だと…?』
無ければ作る!の精神で、"魔法"という言葉さえない世界でゼロから魔法を生みだそうとする、三十路のオッサンの可愛いらしい姿に刮目せよ!

「マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~」の評価

見てもらいたい度:🐟🐟🐟➖➖

 

オススメ・ポイント

  • 「魔法が無い異世界で魔法を作り出す」設定に新鮮味がある。
  • 魔法をものにするまでの過程が一筋縄ではいかず、苦労する様子に見応えを感じる。
  • 家族の愛情、仲間同士の信頼・尊敬・思いやりの気持ちが暖かく描かれている。

 

オススメの回

3話「ゴブリン襲来」です。
たった一体でこれだけ怖いゴブリンはなかなか見られません。切羽詰まった状況の緊迫感はすさまじいです。

母父それぞれの子を想う気持ちや、母父それぞれが子供を認め励ます姿には爽やかな感動を覚えました。

 

残念ポイント

1話「マリーとシオン」の姉弟"愛"がちょっと気持ち悪い。弟の中身がもういろいろ知っているであろう大人なので、なおさらキツいです。

 

「マジック・メイカー ~異世界魔法の作り方~」の雑多な感想

結局、街の妖精屋さんや緑の妖精さんは何だったのかな?

魔法を中心に、前半はその探求、後半はそれを使っての姉を襲った悲劇との闘いと、どちらも掴みどころのないものを相手にしての暗中模索という点で一貫していた。
そこに主人公や家族、仲間たちそれぞれの想いのドラマを絡め、主人公の生い立ちから壮大な物語への展開の期待もさせてくれる、素晴しい構成だったと思います。

1、2話で主人公が気持ち悪く感じられたのさえ無ければ…。つくづく残念でした。

そして、久々に本当に怖い魔物が見られました。

 

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『あのアニメに原作はあるの?』『関連作品はどんなのがある?』という疑問の解決に役立てば幸いです。

参考記事:2025年 冬アニメ 54作品の原作・スピンオフ一覧