花と自転車

声優であり歌手でもある安野希世乃さん、ご存知のとおりとても魅力的な声の持ち主です。

声優としてキリリとしたキャラからほんわか可愛らしいキャラまで幅広く演じ、歌手として艶のある高音で表現力豊かに歌い上げる。 そんな安野希世乃さんについて感じたことを書いてみます。

 

出会いはTVアニメ「マクロスΔ」

声優として希世乃さんを意識したのはTVアニメの「マクロスΔ」でのカナメさんが最初でした。

 

「メサカナ」エピソード

ご存知、マクロスΔ 屈指の名エピソード 10話「閃光のAXIA」。 カナメさんとメッサーさんとの愛情というか友情というべきなのか、二人の関係を悲劇的に描いたエピソードです。

『歌ってくれ!俺がバールになり切る前に!』からのカナメさんの歌唱、そして落ちていくメッサー機、地面に崩れ落ちるカナメさん、そこにエンディングの「AXIA〜ダイスキでダイキライ〜」の流れは何度見ても泣けます。

この「AXIA」はワルキューレ名義のアルバム「Walkure Attack!」に収録されていますが、アニメ劇中のカナメさんの歌唱はアルバム収録版とは違って聞こえます。 多分1コーラス目が別撮りなんじゃないかと思います。 この劇中バージョンも音源として出ると嬉しいのですが。

私はこのいわゆる「メサカナ」エピソードが大好きで、このエピソード以来マクロスΔではカナメさんだけを見るようになってしまいました。

 

GIRAFFE BLUES

続く11話「追憶 ジェリーフィッシュ」で、メッサー追悼のため海に向かって「GIRAFFE BLUES」を歌うカナメさん。 こちらも名場面でした。

「GIRAFFE BLUES」は「AXIA」と同じく「Walkure Attack!」に収録されています。 このバージョンはワルキューレ・バージョンで、フレイアと美雲がメインボーカル、カナメさんがコーラスなんですね。 その後シングル盤「絶対零度θノヴァティック/破滅の純情」にソロ歌唱バージョンが収録されたのですが、これがフレイア・バージョンと美雲・バージョン。

いやいやいやいや! カナメさんバージョンは!? あのエピソード、あの名シーンがあったのにカナメさんのソロ・バージョンが無いなんて! と、がっかりしていたんですが、その半年後ぐらいかな、アルバム「ワルキューレがとまらない」にカナメさんのソロ・バージョンが収録されました。 私、歓喜!すぐ買いました! ホントにもう、フライングドッグさんったら、商売上手なんだからっ!

ファンだからというのもありますが、「GIRAFFE BLUES」はこのカナメさんバージョンが一番好きです。 歌だけじゃなく演奏も良く、フレイアと美雲のコーラスもはまってると思います。 そして、カナメさんの歌唱は表情が見えるというか、沢山の人に向けてじゃなくて「ある特定の一人に向けて歌っている」という雰囲気をすごく感じて、それがとても心に沁みるんです。

 

マクロスの世界観とは一体…

ところで、ワルキューレのシングル「未来はオンナのためにある」のミュージックビデオ、なんでこの人たちは銭湯で踊ってんでしょう!? マクロスの世界観どこ行ったの(笑!?



ワルキューレは「戦術音楽ユニット」だから、戦術→戦闘→銭湯ってこと?(んなわきゃない)

希世乃さんも他の皆さんも真剣な歌唱に本気のダンスで、しかもカッコいいもんだから逆に可笑しい。 この銭湯ダンスシーンだけ何度も見ちゃいます。

 

いろんなアニメでのキャラを知る


自転車と女の子

声優として安野希世乃さんの存在を意識するようになって、いろんなアニメで「あ、これも希世乃さんなんだ」と気が付くようになってきました。

例えば「ブラッククローバー」のチャーミーパイセン。 声の感じがカナメさんと全然違う! カナメさんのキリッとした雰囲気が刷り込まれていたので、だいぶイメージが崩れました。 ”さすが声優さん”という良い意味で。

その後「僕のヒーローアカデミア」の波動ねじれ先輩「ソウナンですか?」の睦ちゃん、「かくしごと」の羅砂ちゃんなど見てきて、だんだん声で希世乃さんだとわかるようになってきました。 「ヒロアカ」、「かくしごと」はパイセン寄り、「ソウナンですか?」はどちらかというとカナメさん寄りですかね。

 

いろんなエンディングテーマを聴く

アニメ「ソウナンですか?」のエンディングテーマ「生きる」



ワルキューレのときとはまた違う雰囲気ですが、やっぱりいい声、そしてお上手! 希世乃さんの歌って、変に飾るところがなく、普通に歌って普通に上手いと思うんです。

この「生きる」は 3rdミニアルバム「おかえり。」に収録の曲ですが、3rd SINGLE「フェリチータ/echoes」には別バージョンの「生きる -acoustic color-」が収録されています。

このアコーステック・バージョン、静かなピアノ伴奏に乗せた優しく応援してくれるような歌声が徐々に力強くなっていき、最後は「さあ!一緒に行こう!」と激励してくれるような堂々とした歌い上げ。 聴きごたえあります!

 

アニメ「アルテ」のエンディング曲「晴れ模様」

他のアニメではエンディングを飛ばすこともあるけれど(作ってる皆さん、ごめんなさい🙇‍♀️)、このアニメは毎回エンディングまで見て(聴いて)いました。



『ここでー♪』のところで毎回鳥肌が立ちます。 この曲を聴いて、歌手としての希世乃さんのファンになりました。

 

アニメ「異世界食堂」のエンディング曲「ちいさなひとつぶ」

アニメを観たときに「いい曲」だなと思い、希世乃さんの歌だったことは後から知りました。



この曲もしびれますね。 歌を聴いているとご本人の飾らない自然体の姿も感じられるような気もして、そういうところにも魅力を感じます。

聴きながら毎回、

『どうして私は歌うの〜♪』
(契約だからじゃない?)
『わからないけど、涙が出るよ〜♪』
(そんなにつらい契約なの?がんばって、応援してる!)
『ありがとう〜♪ 』

という遊びをしています。

 

そして楽曲にハマっていく


ヒマワリと女の子

アニメのエンディング曲から歌手としての希世乃さんのファンになった私は、アルバム収録曲も聴いていくことになります。

気になった楽曲の感想をいくつか書いてみます。

 

1stミニアルバム「涙。」

このアルバムには先に紹介したアニメ「異世界食堂」のエンディング曲「ちいさなひとつぶ」が収録されています。

初回限定盤には特典として、涙を拭くための“特製ハンカチ”が封入されているというアルバム。 「聴いて泣け」ということですね?

 

「さよならソレイユ」

アップテンポでダンサブルな曲調でありながら、切なさを感じさせる歌詞とメロディ、声も歌い方もマクロスΔのカナメさんを彷彿とさせます。

 

「悲劇なんて大キライ」

この曲は、マクロスΔでの「メサカナ」繋がりの曲という話しもあって、曲中『メッサー』と聞こえるところがあるとか…。 意識して聴いてみるとなるほど、確かに。
ロック調で、他の曲よりも低めに寄ったボーカルがとてもカッコいいです。 こんな曲も歌うんだ!と私にとっては驚きの曲でした。

 

「ねぇ、話をしよう」

うっとりとするような歌い声で、眠る前にふとんの中で聴くととても気持ちのよい曲。

声優さんだからなのか、曲ごとにキャラが全然違うんですよね。 この曲と「悲劇なんて大キライ」を歌ってる人が同じ人だなんて、言われないと絶対わからない

 

2nd ミニアルバム 「笑顔。」

「ぼくのヴィーナス」

軽快で『きっときっときっときっと♪』のところで踊りだしたくなっちゃう曲。 『燃え尽きるまぁーでぇー♪』の透き通った声の伸びも素晴らしいです。

歌詞は本人作詞とのこと。とっても可愛い歌詞ですね。
このビデオのフライングドッグの「ワン!」も希世乃さんの声?



 

「ふわふわとしてる」

これはとっても可愛い曲。 チャーミーパイセンみたいだと思いました。

曲中で子供のように「んふふっ」て笑うところがあるんですが、この声が嬉しそうな、楽しそうな、それでいてちょっと恥ずかしくて照れてるような声で、声優さんのさすがの表現力が爆発してます。 この曲、演奏も素晴らしくて、とても面白い曲だと思います。

 

「Wonder Shot」

ロックテイストのカッコいい曲。 これまた「ふわふわとしてる」と同じ人とは思えない。 こういう曲を歌うときの希世乃さんは本当にカッコいいです。

 

「かすかなかなしみ」

ミディアムテンポのメロウな曲。 なんだか泣き疲れてしまった後の腫れたまぶたを思い起こさせるような、これもすごく良い曲。 とても好きです。

 

「嘆きの空」

何度も聴いて、突然『なんでこの曲の良さに気付かなかったんだろう!』とびっくりした曲。地味だけど歌唱が素晴らしい佳曲です。無限イェイイェイも聴きどころ。

 

「ロケットビート」

ポップで明るい曲。 朝起きたときに聴くと元気が出ます。 『ぱぅわぁー♪』のところがとっても可愛い。



 

3rd ミニアルバム 「おかえり。」



 

「Destino ~恋は一秒の永遠~」

お洒落な大人の夜という雰囲気の曲。 とても色気のある曲で、特に間奏後の希世乃さんの声にはドキドキします。

 

「夏色花火」

すこし切ない夏休み後半の夏祭りの一夜みたいな感じ。 少し抑え気味に聞こえるボーカルが遠くに居るような、思い出が遠い思い出であるような雰囲気を感じさせて、切なさにじんわり涙が滲んでくるような曲。 これは名曲です。

 

1st シングル「ロケットビート」

「逢いたくて」

女の子の気持ちを爽やかで軽やかなメロディに乗せて歌う可愛い曲。 歌詞に合わせて女の子の表情まで見えてきそうな希世乃さんの歌が本当に表現力豊かだと思います。

 

2nd シングル「晴れ模様」

「恋する私カラー」

この曲もご本人作詞。 スローテンポから始まって軽快なリズムに変化する様が、朝ベッドで覚醒めて「さあ!」と起き上がるところを想像させます。 可愛くて明るい元気な女の子の姿が浮かんでくるような曲です。 『ぱぅわぁー♪』はここでも健在!

 

3rd シングル 「フェリチータ/echoes」

「フェリチータ」

ファンタジーの世界にいるような、聴いているうちになんだか自分が水の中に浮かんでいるような、そんな不思議な気分になってくる曲です。



このCDには〈ARIA盤〉と〈KIYONO盤〉の2種類があって、〈ARIA盤〉には先に紹介した「生きる」のアコーステック・バージョンが、〈KIYONO盤〉には「夏色花火」のアコーステック・バージョンが収録されています。 そりゃないよフライングドッグさん! どっちも聴きたいに決まってるじゃん!

 

東山(ぽかぽか)さんと、希世乃(イオン)さん


アニメ「スローループ」の主題歌「やじるし→」を歌う希世乃さん。 コンビを組むのは、マクロスΔ ワルキューレのメンバーとしても共演している東山奈央さん。

これが噂に聞く、自称・インディーズ・ユニット「ぽかぽかイオン」か! 1st シングル「やじるし→」で、公式ユニットになり、正式にデビューしたんですね。

お二人、ほんとうに仲良さそうで、見ていて心ぽかぽか、イオンで心さわやかになりそう! 今後の活躍がとても楽しみです。

残念なのは、ぽかぽかした季節、春限定のユニットだということ。 年中見たい〜!

 

ファースト フルアルバム「A PIECE OF CAKE」

希世乃さんのデビュー5周年を記念して、2022年7月26日に初のフルアルバム「A PIECE OF CAKE」が発売されました。新曲 8曲、インスト曲 1曲を含む全 13曲。新曲の内の 2曲は希世乃さんの作詞という楽しみすぎる内容です。

曲のタイトルを見ると「宇宙の法則」とか「世紀の祝祭」とかスケールどでかいものから、「花時雨」「波間に消えた夏」など切ない気持ちにさせてくれそうなものまでバラエティ豊かで、早く聴いてみたいです。

長い間、希世乃さんの曲をたくさん聴いてきて意識していませんでしたが、これが初のフルアルバムだったんですね。これで名実ともに、歌手・安野希世乃もいよいよ大御所ですね!

 


このフルアルバムに収録された新曲の印象を記します。

CUT THE CAKE ~overture~
アルバムの最初を飾る、オルゴールの音色によるインスト曲
とても短い曲ですが、最後の曲「A piece of cake」と対となって、このアルバムを一つの「作品」として形作る大切な曲だと思います。
宇宙の法則
タイトルから受ける壮大な印象とは違う、とても可愛らしい曲でした。
世紀の祝祭
大人っぽい声色で歌う、ラテン調の情熱的な曲。
Bad Temptation
軽快なリズムに少し切ないメロディを乗せた、ビートの効いてるロック曲。
特徴的なギターリフが気持ち良い。高音を絞った大きな音で聞きたい。マネスキンかと思った。
"Bad Temptation" のとこ一緒に歌うのが気持ちいいです。
波間に消えた夏
こちらも軽快なリズムの、切ないながらも爽やかでソーダ水のような曲
エトセトラ
ファンシーで不思議な印象を受ける曲。
カッコいい安野さんの対極にある、ふんわりとろけるような安野さんの歌唱のもう一つの魅力たっぷりです。
OUTな夜
裏拍の効いたざわつくビートを、安野さんの安定した歌唱が落ち着かせ、率いていくような面白さの感じられる曲です。
"きゅっと" が可愛い。
花時雨
雨の日に聴くと雰囲気抜群!
しっとり、しかしドラマチックな展開の曲
A piece of cake
アコースティックの静かな導入からワンコーラスで短く終わる、アルバム全体を一つの作品として、それを締めくくるような曲。単体で聴くより、アルバムを通して聴いた時に、素晴らしい効果を与えるそんな曲です。
男性声のコーラスが入ってるの珍しいですね。

全体の印象としては、ごめんなさい、安野さんちょっとお疲れかな?という感じを受けました。もっともっと行けるはず。作品作りのための時間を、安野さんにもっと与えてあげてほしいと思いました。素人が生意気言ってすみません!🙇

 

「とにかく声が素晴らしいんだ」という、ストレートかつパワフルな結論


万年筆

いろいろ思うままに安野希世乃さんの印象を書いてきました。 まだまだ私の知らない魅力が沢山あるのだろうと思いますが、声優さんとしての幅広い演技も、表現力豊かな歌唱も、結局のところ全ては「素晴らしい声」の魅力に集約されると感じました。 シンプルであり、それだけにパワフルな魅力です。

これからも長くご活躍されて、この感想ページがもっとずっと長くなることを願っています。

 

安野希世乃さん参考リンク