鹿児島ユナイテッドFC観戦記: J2・J3百年構想リーグ第17節 ロアッソ熊本
鹿児島ユナイテッドFC目線での観戦記です。
豪雪で始まり、灼熱で終わる。ジンクスまで破ったホーム最終節
地域リーグ 第17節
鹿児島ユナイテッドFC vs ロアッソ熊本
2026/05/17 Sun 14:03 KICK OFF
2 - 1 で鹿児島勝利
試合結果 - 鹿児島ユナイテッドFC オフィシャルサイト
- 気温: 26度
- 天候: 五月晴れ。強烈紫外線に灼かれて全身消毒済み。
ホーム開幕戦は豪雪、そしてホーム最終節は灼熱の五月晴れ。なかなか変化に富んだシーズンでした。来季のシーズン移行後はずっとこんな感じになるんですね。
今回、地元民放テレビ中継があったのに勝てました! TV 中継や大観衆といった「特別な舞台」に限って勝てないという、おなじみのジンクスを破りました。これからも「そんなジンクスあったっけ?」と思えるぐらいになってほしいです。
広瀬・藤村・梅木——「いぶし銀」と「溌剌ルーキー」が躍動した布陣
鹿児島は基本の構え 4 - 4 - 2、熊本は 4 - 2 - 3 - 1。
スタメンの注目点は三つ。センターバックで 35 江川とコンビを組む、久々出場の 4 広瀬。8 藤村と 32 梅木のボランチ。それと、今季ボランチで出場していた 14 吉尾が右サイドに回った点です。
14 吉尾は久々の右サイドで攻撃の形を作っていました。ボランチもよいけど、サイドの方がより活き活きプレーできてるように見えました。
ボランチの 8 藤村はキレキレ。縦横無尽に動きながらテクニックを発揮し、次々とチャンスを生み出していきます。
ボランチもう一方の 32 梅木は主に守備で存在感を発揮。強烈なプレスで相手攻撃の芽を摘む姿に、19 稲葉二世との呼び声も高いとか高くないとか。
そして久々出場の 4 広瀬は、ほぼ全ての空中戦で勝利。前線へ放りこまれる熊本のロングボールをことごとく潰してくれます。安定したプレーで、安心して見ていられる、頼もしい存在でした。
0 - 1 からの逆転。今日の鹿児島は気迫が違った
過去 6試合で 1試合平均わずか 0.5点しか獲れていない鹿児島は、前半 9本ものシュートを放ちながら無得点。後半はさらにギアを上げてくれよ、と思いながら見ていた後半12分——左サイドを抜かれ、ペナルティエリア端から上げられたボールがそのままゴール左上隅へ吸い込まれます。センタリングを予測していた鹿児島は対応が遅れましたが、あのコースへのボールではいずれにしても防ぐのは難しかったでしょう。
過去 2試合、シュートを打っても打っても敢えなく 0 - 1 で敗れてきた鹿児島でしたが、今日は雰囲気が違いました。失点から 3分後、セットプレーのこぼれ球を相手から奪った 3 杉井が、タッチを割りそうになるボールを必死に追いかけてクロス。それを 18 河村がヘディングでゴールに叩き込みます。
その後はダイレクトボレーでバーを叩く 44 青木のシュートなど、勢いは完全に鹿児島へ。そして後半20分、コーナーキックで上がったボールに、後ろからスルスルと上手く入り込んできた 4 広瀬が、ほぼフリーで狙い澄ましたヘディング!——決勝点が生まれました!
前半42分、攻撃にかかっていた鹿児島からボールを奪った熊本が発動したカウンターに、20 圓道、3 杉井をはじめとして全力で戻るシーン。そして鹿児島 1点目につながった 3 杉井の諦めない追いかけ。今節の鹿児島は、個々の選手から気迫が感じられました。
試合に勝つことも嬉しいけれど、私はこういうシーンを見たくて観戦しているところがあります。
怪我人や累積警告での人手不足で、今回の控えメンバーでセンターバックが出来るのは 16 村松しかいませんでした。先に交代で右サイドバックに入っていた 16 村松がセンターバックへ回り、後半ロスタイムに入ってからの交代でその空いた右サイドバックに入ったのが、なんと FW 登録の 11 福田!
奇策か苦肉の策か、いずれにしても 1点というギリギリのリード差での慣れないポジションで、よく守り切ってくれました。
広瀬選手のセレブレーションに見る人間性
決勝点に守備にと大活躍の 4 広瀬選手は、試合の 4日前に第一子を授かり、父親になったばかり。ゴールセレブレーションは「ゆりかごダンス」かと思いきや、胸スポンサーを指差してからの乾杯ポーズ。これは後述する長島研醸さんへの感謝を表現したものでしょう。
このセレブレーションに、広瀬選手の心意気を感じました。ただの「おちゃらけた髭おじさん」じゃないんです。人としての素晴らしさを、ぜひ見てほしい。
長山社長、ありがとう——胸スポンサー撤退と、新しい時代の始まり
焼酎「さつま島美人」でおなじみの長島研醸有限会社が、ユニフォーム胸スポンサーを降りることが発表されました。
長島研醸の長山社長は、クラブ創設以来のスポンサーであるというだけでなく、ホームでは VIP席ではなく立ち見席で声出し応援し、アウェイにも駆けつける熱心なサポーターでもいらっしゃいます(詳細はこちら)。その熱量と貢献は多くの人の心を掴み、今の鹿児島サポーターの良い雰囲気は、この方によるところが大きいのではないかと思っています。
今節のホーム最終戦セレモニーは、長山社長の撤退の挨拶、クラブからの感謝の言葉と記念品の贈呈、そして選手・スタッフ総出での胴上げという、完全な「長山社長ありがとう」セレモニーとなっていました。広瀬選手のゴールパフォーマンスも、焼酎「さつま島美人」で乾杯というかたちで、この流れの中にあったわけです。
スポンサー撤退の理由は明かされていません。もちろん明かす必要などないのですが、昨季のクラブ運営の不始末があっただけに、少し気になります。
