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「阿波連さんははかれない」の評価と感想:あはれ警報発令アニメ

不器用で無表情な二人の友情と恋を描く学園日常コメディ。

「阿波連さんははかれない」の評価

見てもらいたい度:🍱🍱🍱🍱➖

 

オススメ・ポイント

主役の二人が真面目に無表情でおかしなことをやり出す様がシュールで、なんだか猫動画を見ているような、笑わせようとしてないからこそ笑ってしまう、そんな面白さがあります。

個性が強いキャラと、普通の人キャラのバランスがよく、普通の人が変に個性を出さず普通に普通であるところが、主役の二人や大城さん、桃原先生のクセの強さをうまく引き立てています。

ラブコメとしてキュンキュンしすぎない、笑いとのバランスが良い点もオススメのポイントです。感受性が強すぎる桃原先生による「あはれ」表現のバリエーションなど、笑いのパターンも豊富で、見ていて飽きることが全くありませんでした。

「あはれ・オブ・ザ・イヤー」と「MVA(モースト・バリアブル・あはれ)」は流行語大賞でいいと思います。ところで、「あはれ」→「あはれん」なのでしょうか?

 

オススメの回

第3話「席替えじゃね?」です。

ライドウ君と大城さんの優しさが溢れる、実に微笑ましい回です。

特殊エンディングの餅つきダンスにもご注目、ラストの阿波連さんのバックに咲く花にもニヤリです。

席替えと聞いて、新入生として隣の席になれた偶然がこの二人にとってどれだけ大きなことだったのかと考えてしまいました。

 

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「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」の評価と感想:モブキャラだって主役だアニメ

攻略中だった乙女ゲー世界にモブキャラとして転生した主人公が、ゲームとは異なる展開に戸惑いつつも、ゲームのプレイ経験と知識を活かし、女尊男卑の世界でなんとか生き抜こうと奮闘する物語。

「乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です」の評価

見てもらいたい度:❤️❤️❤️➖➖

 

オススメ・ポイント

ゲーム転生はよく見る設定ではありますが、このアニメでは世界観や登場人物の説明を転生前のゲームプレイ場面で説明していて、上手いなと思いました。

主人公にはなれないことを悲観することなく、モブであることを受け入れ、卑屈にもならず、女尊男卑の世界で生き抜くために前向きに行動する主人公に好感が持てます。決して「良い子」ではなく品行方正でもありませんが、弱い立場の者を放っておけない男気があり、王子様キャラに公然と歯向かう反骨精神も痛快です。社会の主役にはなれないであろう、人生におけるモブキャラである私を勇気づけてくれました。

主人公がヒロイン二人をゲームのキャラとして見ていることに気付く、ストーリー中盤あたりから、それまでとはまた違った面白さが表れます。ゲームでの攻略対象である王子様たちを、主人公がはからずも男として攻略していってる点もよく出来ていると感じます。

ヒロインの一人アンジェリカ様は、スタイル抜群の美女で、気が強く凛々しい女性ながら、王子への一途な愛が受け入れられず、それでも想い続けるいじらしいところに魅力を感じました。髪型が昆虫の触角みたいなのが気になりますが、お父様譲りらしい(5話参照)ので触れないでおきましょう。

しかし、このアンジェリカ様、意地の悪い女の挑発に乗ってしまって、激昂して馬乗りの取っ組み合いをはじめちゃうんですよね…。常に凛とした気高い女性でいてほしかったです。

 

オススメの回

第3話「決闘しようぜ、王子様」です。

アンジェリカ様に助太刀して王子に決闘を申し込む主人公が痛快です。主人公が学園中からの反発を受ける中、主人公とつるんでた友達が何も言わずに主人公に賭けてたところも好印象でした。

 

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「可愛いだけじゃない式守さん」の評価と感想:惚気てるだけじゃない良質青春アニメ

不幸体質の主人公 和泉君と、その彼女である可愛くてカッコいい式守さんの初々しいラブコメディ & 青春物語。

「可愛いだけじゃない式守さん」の評価

見てもらいたい度:🥋🥋🥋➖➖

 

オススメ・ポイント

タイトルと番宣を見て、きっと式守さんは何か秘密の使命を帯びて和泉君を守っているのだと勝手に思っていました。しかし、観始めてみるとそういう話では全くなく、悪く言うとただの惚気アニメです。

しかし、しかし!うかつに切ることなかれ!ただのリア充爆発・惚気アニメと思っていたら大間違い。第8話で大逆転する、これは素晴らしい青春アニメです。

脇を固めるキャラは気持ちの良い優しい人ばかり。それもただ優しいのではなく、心から他人のことを想う優しさが感じられます。この物語を誠実なものにしていたのは、このキャラたちの優しい心だったと思います。

私の好きなキャラはネコとハチミツ。この二人は、コメディ面でも青春面でもこのアニメに欠かせない印象的な演技を見せてくれました。

エンディングアニメのラストも爽やかで暖かく、お薦めです。

 

オススメの回

「第7話 文化祭Ⅰ」「第8話 文化祭Ⅱ」の A パートです。

童話を絡めた狼谷さんの心象風景、和泉君と話して過ごす残り少ない時間を刻む時計の描写が素晴らしい。狼谷さんの和泉君に対する想いが痛いほど伝わります。

何も知らずに狼谷さんに優しい和泉君。何も知らずに「ほらね、狼谷こういうのに興味ないから」と言ってしまうネコ。何も知らずに「番号交換してほしい」とお願いしてしまう式守さん。その残酷さに泣きました

 

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「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」の評価と感想:口調が丁寧で紳士的な骸骨が怒ると怖いアニメ

骸骨の姿で異世界に転生した主人公が、討伐対象とならないよう目立たずに過ごしつつ異世界での生活を楽しもうとしたけれど、持ち前の正義感から悪事を見過ごせず、世直しに大活躍してしまう物語。

「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」の評価

見てもらいたい度:💀💀💀➖➖

 

オススメ・ポイント

弱きを救け強きを挫き、高笑いする様は、まさしく黄金バット!令和に蘇った黄金バットよろしく悪を懲らしめる主人公の活躍が痛快です。

悪を許さぬ、強くて優しい主人公の、誰に対しても態度や口調が丁寧で紳士的なところが実にカッコいいです。かなりの能力を持っているけれど、最強で無敵というわけでもなく、いろいろなことを謙虚に学ぼうとする姿にも親しみを感じます。

そんな主人公の居世界での冒険や生活はとても楽しそうで、自分もこんな風に過ごしてみたいと憧れを感じます。まさに異世界物の醍醐味を存分に味わわせてくれる作品です。

ヒロインのアリアンさんのキャラもすごく魅力的です。美しく、強く、クールビューティーとみせかけて、ポンタちゃんにひどいデレ方をしてるところを主人公に見つかるおマヌなところもあったりと、いろんな顔を見せてくれます。エンディングアニメで、月をバックに優しく微笑むアリアンさんの姿はうっとりする美しさで、ぜひ観てほしいです。


命を救った王女と王国の行く末や、忍者の里、呪いを解く泉への冒険など、楽しみなエピソードや見どころは満載で、是が非でも第二期をお願いしたい作品です。

一期全体を通して、主役が「骸骨」である必然性が、アリアンさんが寝ぼけて「スケルトン!滅びよ!」と攻撃を仕掛けてくる点にしか見いだせないように思いますので、その意味でも第二期を期待したいです。

 

オススメの回

第4話「潜入、奴隷商! 世に蔓延る悪を探れ」です。

囚われのエルフを救う主人公とアリアンさんの活躍と、主人公を信頼できるのか、同胞救出の役に立つのかに懐疑的だったダンカさんの信頼を得ていく様子が気持ち良い回です。

ケモミミ忍者からもらった木の実をかかえてヨチヨチ歩くポンタちゃんも可愛いです。

 

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「くノ一ツバキの胸の内」の評価と感想:純情くノ一の日常アニメ

人里離れた山の中で修行生活を送る少女くノ一たちの日常を、コミカルに描くアニメ。

「くノ一ツバキの胸の内」の評価

見てもらいたい度:🔥🔥🔥🔥➖

 

オススメ・ポイント

キャラも風景もとても綺麗な作画です。時折見せる忍者アクションは、流れるような動きが美しく、見ていて「気持ちいい」と感じるレベルでした。

和柄模様を散りばめたエンディング映像も素敵です。その回のエピソードに合わせた登場人物が描かれ、歌もその登場人物の歌唱によるもので、毎回とても楽しめました。

謎の存在「男」のことが気になってしょうがない主人公のツバキは、「恋」とか「モテる」という概念さえ知らず、興味津々だけど恥ずかしい、でも知りたい、という初々しさがありました。いけないと思いつつ、ついついイケナイことを考えてしまう優等生という感じで、その思い悩む姿が実に可愛いかったです。

その他のキャラも皆個性的で、全員を好きになること請け合いです。自分に似たキャラ、友達になりたいキャラ、こうなりたいと憧れるキャラなど、感情移入できるキャラが沢山いました。

「男」はネタというか、話題の一つで、メインは日常の中で描かれる、少女たちの様々な気持ち、皆の胸の内だったと思います。くノ一の修行生活というより、修学旅行か林間学校に参加しているような気分で、観終えた後、気持ちが穏やかで優しくなる、ついでにお花の名前も沢山覚えられる、そんなアニメでした。

 

オススメの回

「十一の巻 もて術、モテたい」です。モテたいと必死なツバキと、その努力のとんちんかんさと空回りっぷりに大爆笑の回でした。

サザンカに「姉さまにもきっとできます」と慰められたツバキの顔が、『からかい上手の高木さん』の西片君になってるの、お腹を抱えて笑ってしまいました。

 

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「このヒーラー、めんどくさい」の評価と感想:めんどくさいってそういうことだっけ?アニメ

偶然出会った冒険者と聖職者(ヒーラー)が繰り広げる、ナンセンス・ギャグ・コメディ。

「このヒーラー、めんどくさい」の評価

見てもらいたい度:👩‍⚕️➖➖➖➖

 

オススメ・ポイント

死を賭して戦っていた魔物が、いつの間にかいい奴になってる、しかも毎回、という流れは実にシュール。盗賊や魔女も含め、皆がお芝居の世界で生きてるような、冒険者だけがそれに気付いていない、そんな見方をするとまた別の楽しみ方ができそうです。

肝心のヒーラーのめんどくささは、セリフや行動がめんどくさいというより、終始ボケ倒しで「いちいちツッコむのが」めんどくさいという印象です。ツッコミ役の冒険者がちょっとしたことにも過剰に反応しすぎで、ただイライラしてる人になってる場面が多いように感じました。

 

オススメの回

第九話 (サブタイ省略)です。

ゲストキャラとの絡みも面白く、とても楽しく観れました。

 

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「史上最強の大魔王、村人Aに転生する」の評価と感想:メインヒロインは誰だ!?アニメ

平凡な生活に憧れてただの村人に転生することにした魔王の学園生活を描く物語。

「史上最強の大魔王、村人Aに転生する」の評価

見てもらいたい度:❤️➖➖➖➖

 

オススメ・ポイント

前世が最強すぎて孤独だったため、人とどう接したらよいかわからず、転生はしたものの全く友達を作れないという出だしと、学園に入ったらそこに転生前の魔王軍の部下がいたというシチュエーションは面白く、このアニメへの期待が高まります。

しかし、キャラの設定がどうにも定まらない感じで、観ていてあれ?という点が多々ありました。幼馴染のイリーナは、主人公と何年も一緒にいて、その強さをよく知ってるはずなのに、学園で主人公が雑魚キャラと決闘する時に心配そうな表情と素振りを見せたり、最初は弱気で口調も丁寧だったジニーがいきなりビッチになっちゃうわ、助けてくれたイリーナに対する態度は悪くなるわで、メインヒロイン二人を正直あまり好きになれず、残念です。

第7話「白熱の祭典」では迷惑を掛けたポテトフライおじさんに、主人公をはじめ誰一人ろくに謝ることをしません。同じく7話で、入学当初に主人公にボコられた同級生が、いじめをしていた自分の罪悪感を主人公に吐露し始め、「これは、彼の社会復帰を主人公がそれとなく助けるパターン!」と期待していたらその後全く全然何もなく終わってしまいます。そういうことが重なって、なんだか裏切られたような、主人公の丁寧な口調もだんだん嘘っぽく聞こえてくるような、そんな気分になってしまいました。

後半の古代編はとても面白く観ることが出来ました。タイトルも「史上最強の大魔王、村人Aに転生してから古代に戻って自分に合ってみた」に変わってた気がします。せっかく良い主題があるんだから、これで最初から最後まで押せばいいのに、もったいないと観ていて感じます。この古代編を観て、メインヒロインはリディア、サブヒロインがシルフィーとオリヴィアだったんだなと合点がいきました。

 

オススメの回

第11話「覚悟ある者」です。

主人公の心に残る後悔、それを察して語るリディアの言葉が、この回だけでなくこのアニメ最大の見せ場となる、シリアスな回です。

 

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「処刑少女の生きる道(バージンロード)」の評価と感想:主要キャラみんないろいろと怖いアニメ

迷い人(異世界転生者)を殺害することが役割の主人公が、正体を隠しながら迷い人アカリと旅を共にし、彼女を確実に殺すための手段を探す。主人公はずっと以前からアカリを知っていたような違和感を感じており、一緒に過ごすうちに「殺すべき」という信念にも揺らぎが生じ始める。

「処刑少女の生きる道(バージンロード)」の評価

見てもらいたい度:🎀🎀🎀➖➖

 

オススメ・ポイント

まず設定が斬新で興味深く、それを活かしたストーリーも面白いです。

冒頭で男子学生に異世界転生のテンプレを語らせてそれを裏切ることや、殺した後のアカリに起こる現象を見せたりすることで、世界観やストーリーの前提条件を説明する手際が見事で、ストレスなく観ていくことができます。全12話の中で中ボス、ラスボス、真のラスボスを出してくる進め方もテンポよく、各回それぞれに見せ場も用意され、良い意味であっという間に見終えてしまいました。

何の罪もない迷い人を処刑(暗殺?)する理不尽さも、件の男子学生が死に際に見せる能力の暴力性で帳消しとなり、迷い人、処刑人どちらにも自然と感情移入できました。

主人公の二人を含め、主要なキャラが全て異なる個性と魅力を持っています。特に主人公の後輩モモちゃんが、シニカルで有能で可愛い上に、シスコン・百合・バーサーカーの三種揃い踏みの、こっちを主役にしても面白いものができそうなほどの超優良キャラでした。

 

オススメの回

第6話「回帰:記憶・魂・精神」です。

これが一期の最終話でもいいんじゃないかと思える、内容の濃さとインパクトのある回です。

中でも、普段の能天気キャラとのギャップが激しい、クールで何でも知っている「真アカリ」の出現には驚愕しました。そのセリフから「え?ということは…」「ちょっと待って、じゃああれも…」と頭の中でグルグルと想像が巡って混乱必至の衝撃回です。

このエピソードを観て、このアニメの宣伝文句「彼女が彼女を殺すための物語」の意味、オープニング映像の意味が分かってきました。

モモちゃんとアーシュナ姫の活躍も痛快です。あと、司教お婆さんの「最初から… 私に近づいて… ファーーーッ!」は個人的にツボでした。

 

※この後ネタバレありんす。

 

「処刑少女の生きる道(バージンロード)」の感想

設定がとても興味深く、異世界転生やタイムリープものの新しい型と言える作品だと思います。

ただ、その設定やストーリー上のシチュエーションに気になるところが何箇所かあり、それが最後まで気になってしまいました。

  • 迷い人の召喚が禁止されていて、自然現象としても滅多に起こらないのなら、処刑人てそんなに要らなくない?
  • 迷い人を処刑するより召喚する側を取り締まったほうがいいんじゃ?大司教があんなだったから取り締まりに力入ってなかったのかもしれないけど、当の処刑人がそれを疑問に思わないのはどうなの?
  • メノウの終盤回の強さと、列車でのテロリストのくだりの強さのバランスが合わない気がする。
  • メノウの幼少時と現在が別人すぎる。あんな無感情だった子供が普通に振舞えて後輩にも慕われる女の子にどうやってなったのかが見えないから、全くの別人に見えて、微塵も面影を感じない。
  • パンデモニウムでアカリを殺そうとするのは自ら設定を壊してるのでは?以前、何度も生き返らせると迷い人の力を増幅させることになるから、下手な殺し方を試すのは無しって自分で言ってたよね?
  • 列車のくだりで世界の時間を戻せることわかってたよね?パンデモニウムの中がどうなっているかわかってないのに、中で何回も時間を戻されたらどうすんの?
  • パンデモニウムに元凶である迷い人の少女を閉じ込めたのが1000年前、その少女がマノンの姉?計算合わなくない?

このように、設定にいろいろ気になる点があるのですが、それを説明する部分を私が見逃してるんじゃないかという気もするのです。

それというのも、第8話「魔薬」でメノウとモモちゃんがホテルのロビーで話すシーンで、メノウが右手を上げるとモモちゃんが左手を上げるのは何なのか?同じく第8話でモモちゃんがアーシュナ姫と酒場で飲むシーンで、モモちゃんが何度も席から立ち上がってしきりに向こう側を気にしてたのは何なのか?きっと何か意味があるはずなのに、私にはそれがわからないところがあったからです。

きっとこの作品は中途半端な見方はよくないんだと思います。設定気にならないほどライトに観るか、集中して隅々まで見逃さず、シーンの意味を深く考えながら観るか、どちらかにしないともったいない作品なのかもしれません。

そんな作品でしたが、2期があったら絶対観ますし、ぜひ2期をやってほしいと思える作品でした。

 

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「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 3期」の評価と感想:ファンタジー人情ドラマアニメ

現代日本から異世界へと転生した主人公マインと、それを取り巻く人々を描く人気作の 3期目

「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 3期」の評価

見てもらいたい度:📘📘📘📘➖

 

オススメ・ポイント

1期から3期を通して、このアニメではそれぞれのキャラから、そのバックボーンや人生が見えてくるような気がします。キャラのセリフや行動に、人間のそれぞれの立ち位置での生きた意志が感じられ、とても説得力を感じます

そのキャラたちで描かれる家族愛の尊さ、心の大切さの物語は格別の味わいがあります。

3期では、1期・2期と比較して物づくりの面白さは若干控えめで、貴族社会のいやらしさ、恐ろしさが強調され、マインを守ろうとする周囲の動きや、家族を守るために下すマインの決意に見応えを感じました。

 

オススメの回

3期の中では平和な回、第三十一章『青色神官の贈り物と帰宅』です。

孤児院や工房を見てまわりながら、物づくりの楽しさとやり甲斐を活き活きと語るマインが微笑ましい回でした。

本、文字、印刷物が世界の有り様を変えてしまうという話からは、マインの「本を読みたい」という純粋で無邪気な動機から生まれるかもしれない巨大な黒い波のようなものが想像され、少しゾッとしました。

 

※以下、ネタバレあります。

 

「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません 3期」の感想

「気になって本が読めないから孤児院を救う(2期)」という大バカ者(いい意味で)のマインちゃんが大好きです。

3期ではそこにハイディというインク屋の大バカキャラが加わりました。結果をどう活かすかに興味のあるマイン、結果に至るまでの仕組みや原因に興味のあるハイディ。型にはめるなら、マインは文系、ハイディは理系の大バカ者(いい意味ですよ)というところでしょうか。二人の愛すべき大バカキャラの活躍(=暴走・迷走)をもっと見たかったです。

ジルヴェスターが「いざという時に使え、必ず助けてやる」とマインに持たせた魔術具。魔法か何かでヒーロー一瞬で召喚されて「待たせたな!」みたいな登場をしないのが、いかにも本作らしくて良かったです。そして、魔道具の実際の効果をマインは知らされておらず、そのために家族と別れるという断腸の思いをさせられるところが、いかにも本作らしくて酷い(いい意味で)です。

 

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「魔法使い黎明期」の評価と感想:ゼロから始めるのキャラ出てきたらそっちに目が行くのはしょうがないアニメ

魔法学校の落ちこぼれの主人公が、落第を回避するための特別実習を受けることになる。同じく実習を受ける仲間たちや先生と、特別実習に隠された意図や想定外の事態に立ち向かいながら、精神的に成長していく姿を描く物語。

「ゼロから始める魔法の書」と同じ世界の続編と言える物語です。

「魔法使い黎明期」の評価

見てもらいたい度:🪄🪄➖➖➖

 

オススメ・ポイント

魔女がまだ世の中に完全には受け入れられていない魔法使いの黎明期という設定は面白く、「ゼロから始める魔法の書」と同じ世界の話ということで期待していたのですが、あまりそれらの設定が活かされているようには感じられませんでした。

また、主人公と準主役というべき仲間たちに魅力が乏しく、脇役であるはずの引率の先生や、特別実習先の先生、用心棒の傭兵、教会の神父の方に気が行ってしまいます。グロい描写も多いし、魔幼女のハイレグ大股開きとか、魔力を効率よく受け取る方法がベロチューとか、もう見ていられません。ストーリーは決してつまらない物ではないと思うのですが、いろいろ気になることが多くてストーリーの良さをあまりよく味わえず、残念です

 

オススメの回

第5話「ふさわしいかは自分で決める」です。

「ゼロから始める魔法の書」を知ってる人には心躍るキャラの登場回です。ストーリー展開がベタではありますが、アツい描写で、ベタというより正攻法と言えるエピソードでした。

 

「魔法使い黎明期」の関連リンク

 

 

「勇者、辞めます」の評価と感想:勇者にいろいろと裏切られるアニメ

職を求めて魔王軍に面接を受けに来たかつての勇者。平和な世界で行き場を無くした勇者が魔王軍を立て直しつつ、やがて本当の目的を明かしていく物語。

「勇者、辞めます」の評価

見てもらいたい度:⚔️⚔️⚔️⚔️➖

 

オススメ・ポイント

勇者が魔王軍の面接を受けに来たというドタバタギャグアニメかと思いきや、さにあらず。なるほど、ただ頑張るだけではない良い仕事の進め方とか組織のまとめ方など、実社会でも役立つ社会勉強系アニメね、と思っていたらそれも違う。

最初はハハハと笑って観ていたはずなのに、途中で衝撃を受け、主題歌の「BROKEN IDENTITY」の意味がわかるころには涙が止まらない、そんなアニメでした。

 

オススメの回

Episode 11 「勇者の資格」です。

勇者と魔王の交互のモノローグが会話のように重なる。感情が湧き上がってくるような、素晴らしい演出でした。

 

※この先、ネタバレしまくりんぐです。

「勇者、辞めます」の感想

勇者の悩みという点では「真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました」と通じる点がありますが、こちらはより壮大で闇深いものでした。勇者が狂っていく様にはぞっとします。

狂っていく自分を自覚した勇者が下した決断を知ると、タイトルの「勇者、辞めます」が途端に悲哀に満ちた意味を持ち始めます。勇者の最後の決断の残酷さと、Episode 09「勇者、辞めたい」で見せるエキドナと勇者のじゃれ合い、明るい未来を信じる四天王の無邪気さの対比が、私にはとても切なく映りました。

第一話を見た時点ではこんなドラマチックなアニメとは思いませんでした。惜しむらくは、人と魔族の架け橋になろうとしたエイブラッド先生の物語が歴史上どう語られていたのか、実際はどうだったのかをもっと見たかったです。それがあれば、勇者と魔王の気持ちももっと深く理解できたのではないかと感じます。

 

「勇者、辞めます」の関連リンク