爆裂!!

「この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」の評価

TV アニメでもおなじみのシリーズ。
今回はめぐみんの故郷「紅魔の里」の危機を救う中で、カズマとめぐみん、そして最高の魔法使いゆんゆんと、最強の魔法使いめぐみんとの絆が深まる物語。

同時に、何故ゆんゆんがぼっちなのか、何故紅魔族があんなに魔法に優れているのかも明らかになります。

見てもらいたい度:❤️❤️❤️❤️🤍

オススメ・ポイント

『エクスプロォーッジョンッ!!』は相変わらず気持ちいい!
めぐみんの可愛さと爆裂魔法のカタルシスを感じながら思いっきり笑える映画でした。

めぐみんファンとゆんゆんファンは観たら必ず幸せになれます。


キャラの大げさな表情だけで既に面白い。さすがは「このすば」シリーズ、安心と信頼の面白さです。

映像は綺麗。特に魔法発動時の特殊効果的な光の動きは映画ならではの美しさと迫力です。
シーン切替え時の「このすば!」はなんだかテレビ見てる気分になってくる。ちょっと回数多いかなと思いました。

物語の時間的な位置はTVシリーズ第2期の後の話。
初見の方向けか、開始2分で全員の特徴(ダメさ加減)をさらりと説明するの上手いです。

※ちょっとネタバレあります。

 

中二病的「紅魔の里」

「このすば」のキャラで一番好きなめぐみんの故郷、紅魔の里のことをいろいろと知ることができて面白かったです。

町内放送で知らされる魔王軍襲来、里のお手すきの人のみで片がつく魔王軍襲来。『だから紅魔の里を攻めるのは反対したんだ』と泣きながら逃げ惑う魔王軍…
紅魔族、カッコいい!

初対面の人への紅魔族の挨拶『我が名は○○、紅魔族随一の○○。やがては○○となる者!』(例:『紅魔族随一の教師にして、やがて校長になる者!』)
名乗りカッコいい!

TVシリーズを見てて、ゆんゆんがぼっち扱いなのが何故なのか、単にそういうキャラ設定なのかな?と思ってましたが、この映画で理由がわかりました。 マジョリティとマイノリティの問題だったのね。
TVシリーズではめぐみんに対して『他の魔法も覚えなさいよね』と言うなど、めぐみんよりもよっぽどまともに見えてたんですが、私の目は間違ってなかった。

TVシリーズ2期2話「この紅魔の娘に友人を!」で、学生時代にめぐみんはゆんゆんのお弁当を巻き上げてたと聞いて、めぐみん不良?と思ったら違う理由だった。 めぐみん家ここまでだったとは…

あと、めぐみん家の襖の模様カッコいい!(私も中二病?

 

それぞれのキャラに感じた見どころ

カズマ

寝ているめぐみんの周りを高速周回しながら黙々と考えを巡らせたり、魔王軍幹部シルビアの胸の谷間でスーハースーハーしながら喋るところ爆笑でした。

魔王軍幹部に『人としてそれでいいのか?』と言われるクズっぷり。 とは言っても、私も同じ立場なら同じように行動しただろうな。 寝室の窓を氷漬けにしてめぐみんが逃げられないようにとかはしないけど。

クズと言われながらも、最後は覚悟を決めて行動する。結構男らしいんだよな。
シリーズ全体を通してカズマを見てると、力も金も無く、弱くて、逃げて、クズと呼ばれても卑屈ではない。 見てる方としては「クズだなぁ」と笑いながらも、運と思い付きと一か八かの覚悟で切り抜けるところにちょっと憧れるところがあります。


 

アクア

大きな活躍も、大きなやらかしも無く、花鳥風月も封印。
オークに襲われ幼児化するカズマを膝枕で慰める、激昂したカズマが脱いだズボンをそっと履かせる、そんな母性キャラでした。 膝枕のときのまんざらでもない表情は正に女神。


 

ダクネス

変態プレイは今回控えめ。体を張って阻止しようとした魔王軍幹部が女だったことで失望、オークのオスが絶滅していることを聞いて絶望してた。


 

めぐみん

紅魔族の人からカズマ達のことを『冒険仲間かい?』と聞かれてちょっと嬉しそうに微笑む。『いい仲間たちじゃないか』と言われて少し照れるめぐみん、それを優しく見守るゆんゆん。
上級魔法が使えるようになって足手まといにならないようにすると言ったときのちょっと寂しげな笑顔。
そんな表情で語る場面が素敵で可愛かったです。

最後の『エクスプロージョンッ!』の叫びにはちょっとうるっと来ました。

『本当に何もしてくれないのですか…?せっかく二人きりなのに…』とか、小説版のこの後のカズマとめぐみんの関係を知ってると、里での夜はドキドキしますね。


 

ゆんゆん

終盤の戦いでの名乗りがカッコいい! TVシリーズでおろおろしていたのがウソのように頼もしく、堂々としてる。

めぐみんの妹こめっこが魔物に襲われた時、めぐみんが爆裂魔法のために貯めたポイントを使うのを躊躇してる間に、ゆんゆんが自分のポイントを使い中級魔法を習得してこめっこを救った。
クラスメートが『ゆんゆんは半端なときに中級魔法を覚えちゃったから卒業までに上級魔法を覚えられなかった』と話したときのめぐみんの反応、ゆんゆんに負い目があるんだね。
ゆんゆんはめぐみんが爆裂魔法を諦めなくてすむように、自分のポイントを使い、しかもそれを誰にも話してこなかった。

ゆんゆん、惚れちゃいます!

めぐみんがあれだけ爆裂魔法にこだわるのも、ゆんゆんとのこの過去があったから、ゆんゆんの行為を無駄にしないためにもという気持ちがどこかにあるのかもしれないと思いました。


 

魔王軍幹部 シルビア

自分で自分を改造したキメラ、美人だけどアレもアレも持ってる。

『ここまでこれたのもお前たちのおかげ、ありがとう最高の部下たち』とか、戦いの最中『愛、夢、希望!』と叫びながら気持ちを高めるとことか、私達が魔王軍というものへ偏見を持っていることを気付かせてくれます。(違うと思うけど)

さらには魔王軍を片手間で蹂躙する紅魔族に対して『頭のおかしい奴らの里など滅びてしまえ』と、誰にとっての正義?誰にとっての普通?という問題提起もしてきます。(絶対違うと思うけど)

上昇志向を持ったキャリア・ウーマン(ウーマンかどうかは置いといて)、同時に愛も欲しいと思っている。 得られぬ愛を渇望し、冷静さを失ったその心のスキをカズマというニート男に付け込まれて滅んでしまう。
現実でもありそうな話しです。

『当ててんのよっ!』

 

こめっこちゃん

めぐみんの妹こめっこは声めちゃ可愛い。さすが長縄さん、魔性の妹!


 

TVシリーズとの関連

戦いが終わった後、最後の爆裂魔法に至るカズマとめぐみんの行動はシリーズを知っていないと理解できないのでは? など、原作、あるいはTVシリーズを見てないとわからないところもあると思いました。

TVシリーズ1期3話「この右手にお宝を!」で説明があるように、スキル習得や習得したスキルのスキルアップにはポイントが必要で、そのポイントをどのスキルに注ぎ込むかを冒険者カードの操作で決められる。
めぐみんは爆裂魔法以外にスキルポイントを入れて欲しいと言っていたけど、カズマはそうしなかったんですね。そしてしれっと『ちょっと一発撃ってくれよ』とか言う。こういうところに惚れちゃうのかな。

カズマが魔王軍幹部シルビアに名乗る偽名「ミツルギ・キョウヤ」とその剣「魔剣グラム」は1期5話「この魔剣にお値段を!」に登場した転生者で、真面目に魔王討伐を目指している高レベル冒険者。 魔王軍にもその名は知れ渡ってるみたいですね。

三途の川でシルビアを呼ぶのはデュラハンのベルディアとポイズン・スライムのハンス。
ベルディアは6話「このろくでもない戦いに決着を!」、ハンスは2期10話「この素晴らしい仲間たちに祝福を!」でカズマたちに倒された元魔王軍幹部。

戦いの後の回想でカズマを見てゲロってた女神はアクアの後輩女神エリス。1期7話「この凍えそうな季節に二度目の死を!」で登場、カズマに『このことは内緒ですよ』と囁いてたのはパッドのこと?

あの機動要塞デストロイヤーの開発者が紅魔の里に深く関係してたとは。1期10話「この理不尽な要塞に終焔を!」、2期11話「この素晴らしい芸術に祝福を!」(元は OVA)を観ると、紅魔族があんななのも納得です。

 

エンディングの余韻

「このすば」のエンディング曲を聴いてると、子供の頃いっぱい遊んだ日の夕方の帰り道を思い出すようなところがあります。TVシリーズのエンディングもそうだったし、この映画のエンディング曲もそうです。

雨宮天さんがインタビューで『こういうしっとりとした曲がエンディングに流れることで、今日もいい話だったなぁみたいな』とおっしゃってるのもよくわかります。
だから、曲はフルコーラスで聴きたかったし、曲の最中はエンディングロールだけじゃなくて劇中のシーンなどの絵があったら、「ああ、今日も遊んだ遊んだ、楽しかったな」という気持ちを感じてもっと余韻を楽しめたかなと思いました。

エンディングレコーディング後インタビュー

 

「この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説」についてさらに知りたい

エクスプロージョンの威力の科学的考察


 

参考リンク

 

Blu-rayなど